みすず書房

仁科芳雄往復書簡集 補巻

現代物理学の開拓 1925-1993

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 688頁
定価 17,600円 (本体:16,000円)
ISBN 978-4-622-07645-2
Cコード C3342
発行日 2011年11月24日
備考 現在品切
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仁科芳雄往復書簡集 補巻

仁科芳雄発/着の往復書簡を中心に、関連文書を数多く収めた『仁科芳雄往復書簡集』(全3巻、2006-2007)は、20世紀物理学の国内・国外の研究現場の様相を生き生きとかつ多面的に伝える、類のないものとなった。さらに理研の「ニ号」(原爆)研究やヒロシマ・ナガサキをめぐる調査や考察、米占領下の日本で戦後世界を見据えてゆく数々の書簡・文書は、現代史資料としてきわめて貴重であるだけでなく、科学者と戦争、国家と時代と科学のあり方を考えるうえで、つねに振り返るべき証拠である。日本科学史学会学会賞特別賞を受けるなど、高評を得ているしだいである。
この補巻は、『書簡集』全3巻刊行後に発見された書簡・文書・資料など490点から成る。シュレディンガーやパウリの講義を聞いた仁科の1920年代のノート、ディラック宛ての書簡にはじまり、宇宙線の研究、対称核分裂、そして「大サイクロトロン日誌」などサイクロトロン建設をめぐる一連の書簡・文書は、当時の日本の科学の最前線を鮮やかに映し出している。
とりわけこの補巻の特徴となるのは、日本の原爆研究の一端をしるす仁科芳雄・矢崎為一「核分裂によるエネルギーの利用」(1943)や、「トルーマン声明」など広島・長崎への原爆投下と敗戦前後の「敵性情報」に関する文書、1945年8月9日から1946年3月にいたる「仁科芳雄のノート」などであろう。これらは原爆と「終戦」をめぐる第一級の資料であり、今にいたる原子力問題のあり方の全貌も、ほぼ出揃っているといえる。

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