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シモーヌ・ヴェイユ選集 III

後期論集:霊性・文明論


〈知性の大小の差というものは、終身禁固に定められた囚徒にとって独房が広いか狭いかの差にすぎない。おのれの知性を誇る知的な人間は、広い独房に入っていることを誇る囚徒に似ている。おのれの虜囚にうすうす気づいている精神は、できれば自己にもそれを隠そうとする。しかし虚言をおぞましく思うなら、そうはするまい。するとひどく苦しまねばならない。気を失うまで頭を壁に打ちつけるだろう。(…)これが何度もくり返される。はてしなく、なんの希望もなく。いつの日か、精神は壁の向こう側で眼をさます。枠組がすこし広がったとはいえ、それでも精神はまだ虜囚の身である。かまうものか。すでに鍵を手にしたのだ。あらゆる壁をうち毀す秘密を。かくて知性と呼ばれるものをこえ、叡智がはじまる境地にいたる。〉

偽りの自由と安寧のうちに精神を眠り込ませたまま死んでゆく知的な人間よりも、狭い独房にいるがごとき人間にこそ、真理へと至る可能性を見、耐えがたい屈辱、不幸への同意にこそ、神へと向かう新しい霊性を見たヴェイユ。占領下のパリを逃れ、マルセイユ、カサブランカを経てニューヨークへ。そして、亡命政権〈自由フランス〉に参加すべく、ロンドンへ――最晩年の漂泊の日々に綴られた14篇に断章と覚書を付す。選集全3巻の完結。


目次


凡例

文学・哲学・価値をめぐる論考(1941年)
  価値の観念をめぐる省察[試論の草案]
  哲学[時評]
  文学の責任について――『南方手帖』への手紙
  読みの観念をめぐる試論[記事]
  道徳と文学[記事]

オック語文明圏をめぐる論考(1940年-42年)
  一叙事詩にみる文明の苦悶
  オック語の文明の霊感はどこにあるか

労働の霊性・宗教・文明をめぐる論考(1942年)
  隷属的ならざる労働の第一条件[記事]
  神の愛と不幸[試論]
  神の愛をめぐる雑感[試論]
  神の愛をめぐる雑考[試論]

最後の論考(1942年)
  人格と聖なるもの
  われわれは正義のために戦っているのか
  この戦争は宗教戦争である
  断章と覚書(抜粋)

虚無の焔に焼きつくされて(冨原眞弓)

事項索引
人名・作品名索引


著訳者略歴

シモーヌ・ヴェイユ
Simone Weil

1909-1943。フランスの思想家。パリのユダヤ系中流家庭に生まれる。アンリ四世校でアランに師事し、パリ高等師範学校を卒業後、哲学教師として各地のリセで教鞭を執る。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
冨原眞弓
とみはら・まゆみ

1954年生。パリ・ソルボンヌ大学大学院修了、哲学博士。聖心女子大学哲学科教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

<2014年4月:出版ニュース>

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「シモーヌ・ヴェイユ選集 III」の画像:

シモーヌ・ヴェイユ選集 III

「シモーヌ・ヴェイユ選集 III」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/296頁
定価 6,048円(本体5,600円)
ISBN 978-4-622-07662-9 C1310
2013年12月25日発行

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