「みすず書房」ページ内リンク

  1. 「メインメニュー」へ移動
  2. 「みすず書房の本の検索メニュー」へ移動
  3. 「本文」へ移動
  4. 「サイト利用ガイド」へ移動



日系ブラジル移民文学 II

日本語の長い旅[評論]

著者
細川周平

捨てきれぬ母国語を慈しむようにして綴られた日系移民文芸100年の軌跡。その作品は、なぜ書かれたか。様々な背景が明かされる。第1巻ではジャンル別に歴史を追ったが、この第2巻では、概念、同人誌、題材、作品、人物などに個別にあたり、表現に込められた想い、そして生のかたちを考察する。――長期取材の結晶、全編書き下ろし完結。[全2巻]

「実際に会うと、作からはうかがい知れない文学的情熱を持っていたり、作以上に驚きに満ちた人生を歩んでいたり、書かなくなってからの心境を語ってくれたりと、つねにこちらの蒙を啓かれる。…人柄、雰囲気としか言いようのない印象が、発表された文のたたずまいを補強したり裏切ったりすることも、取材の醍醐味である。…「遅れてきた」という後悔を和らげ、今書いていることを正当化してくれたのは、生きた書き手とのつきあいだった。うまく間に合ったのだ。」
(「あとがき」より)


目次


序 母語のめぐりをたどる旅

I 耕す 戦前文学――土、ときどきアスファルト
1. 植民文学の理念と実践 
2. サンパウロ行進曲――旅するモダン文学
3. 「あの時の目でない眼でみる旅券」――戦前移民の川柳
4. 粋な移民がいちずに歌う恋と暮らしと心意気――戦前移民の都々逸

II 争う 戦後文学――「戦後」は始まらない
5. 負けた勝ち組、勝った負け組――勝ち負け抗争の文学
6. 『コロニア文学』の時代

III 流れる 実存の求心、遠心(そして仏心)
7. サントス行きの遅い船――宙吊りの移動空間
8. 霧散者の居場所を探して――藪崎正寿と準二世の鬱屈
9. ここから辺境へ――松井太郎の世界
10. 亡びゆく民、甦る仏心――山里アウグストの空想解脱小説

IV 乱れる 錯乱と淫乱の女
11. 裁断された郷愁――山路冬彦「おたか」
12. なめくじ天皇に塩をかけろ――リカルド宇江木『花の碑』

V 渡る 詩歌の世界――風土、季節、生命
13. 風土と土着――ブラジル短歌の拠り所
14. 季節のない国――ブラジル季語をめぐって
15. むかご飯と子雷――佐藤念腹鑑賞
16. 生命の無限を讃える――横田恭平の農民詩

付論 対蹠地にて
17. ふるさとブラジルー――石川達三『蒼氓』に見る常識、忍従、国策
18. 勝ち組になりきれなかった男――本間剛夫『望郷』
19. 「路地」は南米に拡がる――中上健次『千年の愉楽』

あとがき 事項索引
人名索引


著訳者略歴

細川周平
ほそかわ・しゅうへい

1955年大阪生まれ。東京芸術大学大学院音楽学研究科博士後期課程修了。国際日本文化研究センター教授。専門分野は、近代日本の音楽史、および日系ブラジル移民文化。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

秋尾敏<2014年1月:「俳壇」>

関連リンク

この本の関連書


「日系ブラジル移民文学 II」の画像:

日系ブラジル移民文学 II

「日系ブラジル移民文学 II」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/800頁
定価 16,200円(本体15,000円)
ISBN 978-4-622-07693-3 C0020
2013年2月21日発行

この本を購入する