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ホロコーストの音楽

ゲットーと収容所の生

MUSIC IN THE HOLOCAUST

Confronting Life in the Nazi Ghettos and Camps


音楽はナチ支配下のユダヤ人ゲットーと強制収容所において、どのような役割を果たしたのだろうか。本書は音楽を手がかりに、ホロコーストの深部と個人の内面への扉を開く。
ナチズムの犠牲者をめぐる戦後の証言は生存者によるものだが、歌は生きて還らなかった人々の声を伝える。ナチに協力するユダヤ人当局への怒り。宗教への不信。不安と恐怖。従来のユダヤ人の受難と抵抗の「物語」には収斂されない、多様で複雑な人間の生と経験がよみがえる。
ゲットーも収容所も他の社会と同じく、階層化された社会だった。音楽は格差を表し、格差をつくった。飢餓に苦しむワルシャワ・ゲットーで、音楽会や舞台演芸が隆盛をみる。ユダヤ人パルチザン、ドイツ人共産党員、ナチ親衛隊は、それぞれ組織の喧伝と結束のために歌唱を利用した。
アウシュヴィッツでは音楽「産業」が空前の活況を呈していた。移送されてきた者の「選別」にも、労働への行進にも処刑にも、オーケストラが伴奏した。収容所では音楽は異質なものではなく、むしろ運営に不可欠な一部であった。
戦争と収容所を経験した祖父母をもつ若き研究者による新しい社会史である。
譜面34点やザクセンハウゼン収容所のオーケストラの演奏曲目一覧も収載。


目次


はじめに
謝辞/譜例について/譜例リスト

序論 音楽を救う――「精神的抵抗」を超えて

第一章 「哀れみを、ユダヤ人の心よ」  ワルシャワ・ゲットーの音楽
ユダヤ人の都市ワルシャワの状況/ゲットー生活の両極/街頭の音楽/劇場/ワルシャワ・ゲットーのオーケストラ/ポーランドとユダヤの闘い/後世のために記録する

第二章 ヴィルナ  政治家とパルチザンたち
リトアニアのエルサレム/戦争、そしてゲットーへの強制移住/嵐のあとの静けさ/ユダヤ人のアイデンティティを抱いて/パルチザンと若者たち/ゲンスとゲットーの劇場/劇場の先に

第三章 過去と向き合う歌  ザクセンハウゼンの生活
収容所の歴史/ドイツ人政治犯、チェコ人芸術家、特権の諸段階/冷笑、ナショナリズム、ポーランド人の体験/オーケストラ、強制された音楽、ユダヤ人/ザクセンハウゼンを回想する

第四章 人間性の断片  アウシュヴィッツの音楽
アウシュヴィッツの風景/一般収容者の歌/「特別囚」たちの生活/没収財産登録事務所のメドレー/強制された歌唱、オーケストラ、ナチ当局/音楽と死の収容所の世界

エピローグ

訳者あとがき

ザクセンハウゼン強制収容所のオーケストラ 演奏曲目一覧/原註/資料所蔵アーカイヴと参考文献


著訳者略歴

シルリ・ギルバート
Shirli Gilbert

南アフリカのヴィットヴァータースランド大学を卒業後、英国オックスフォード大学で現代史を専攻。現在、英国サウサンプトン大学パークス研究所の上級専任講師(教授格)。ユダヤ・非ユダヤ関係論。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
二階宗人
にかい・むねと

1950年生まれ。早稲田大学卒。NHK記者。特派員としてローマ、パリ、ジュネーヴ、ロンドンに駐在し、ヨーロッパ・中東・アフリカ総局長。とくにバチカンおよび東西冷戦を中心とするヨーロッパ情勢を取材。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

岡田温司(京都大学教授・西洋美術史家)
<読売新聞 2012年10月7日(日)>
岡田暁生(音楽学者)
<日本経済新聞 2012年10月21日(日)>
小沼純一(評論家・詩人)
<京都新聞 2012年11月11日>
五十嵐太郎(建築批評家)
<日本経済新聞 2013年3月17日(日)>
春山陽一<朝日新聞 2013年10月19日(土)>

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ホロコーストの音楽

「ホロコーストの音楽」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/336頁
定価 4,860円(本体4,500円)
ISBN 978-4-622-07695-7 C0022
2012年9月10日発行

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