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最悪のシナリオ

巨大リスクにどこまで備えるのか

WORST-CASE SCENARIOS


壊滅的で取り返しのつかない大惨事にどう対峙すべきか。リスク認知の心理学をふまえつつ、予防原則と費用便益分析を緩やかに両立させた法学/経済学の成果。
本書の目標は3つ。まず、最悪のシナリオに対して人間の心理はどのように振る舞いがちなのかを分析する。特に過剰反応と完全な無視という極端に振れる心理傾向がリスクへの対処にどのように影響するのかを論じる。第2に、個人と政府は最悪のシナリオについてどうしたらより賢明に考えられるかを、予防原則を精緻化しながら検討する。第3に巨大リスクにおける費用便益分析の可能性と限界を追求する。
大惨事のリスクを社会がどのように直視すべきかについて多様な論点を提示してくれる、法学と経済学の成果。粘り強い考察。

〈本書は、社会が直面する最も難しい問題をあつかった優れた成果であり、このような問題には簡単な解決策が存在しないことを明らかにしている。社会的な意思決定の担い手が本書の洞察を十分に理解すれば、社会は正しく対応できるだろう〉
――M. H. ベイザーマン(ハーバード・ビジネススクール教授、『予測できた危機をなぜ防げなかったのか?』著者)


目次


序論
直感と分析 過剰反応と無視 最悪の事態の遍在 リスクと不確実性  幸福、お金、結果 本書の構成

第1章 テロと気候変動
安全か危険か 対極的な二つの事例 気候変動に対する見方と行動 テロに対する見方と行動 国民の見方と規制との関係 便益、費用、合理的選択 アメリカの費用、他国の便益 現在の費用、将来の便益 合理的な恐怖と感情的な反応 想起容易性 確率無視 憤り 文化と社会の影響 長期的な最悪の事態

第2章 二つの議定書の話
オゾン層破壊 CFC規制の費用と便益 気候変動 京都議定書の費用と便益 得られた教訓 原因国と被害国 カリフォルニア州の実験 成功と失敗

第3章 大惨事
予防原則 弱い予防原則、強い予防原則 どこでも見られる予防行動とリスク負担 予防原則の認知論的根拠 分配の問題 期待値 リスクの社会的増幅 保険としての予防措置 費用とトレードオフ 発生のタイミング 不確実性vsリスク 不確実性と予防措置 マキシミン原則、合理性、真の不確実性について 実際の決定 壊滅的な損害とマキシミン原則 大惨事に対する予防措置

第4章 不可逆性
オプション価値、使用価値 基本的な議論 不可逆性の遍在 不可逆生と重大性 不可逆性と埋没費用 不可逆性と比較不可能性 条件と結論 最適な先送り 不可逆性、分配、最貧困者 プリコミットメント価値 環境にかかわる差止命令 不可逆的で壊滅的

第5章 金銭的価値
金銭価値化への批判 的外れな予防措置? 大惨事の費用と便益 予防措置に伴う問題 費用と便益 支払い意思額への反論 権利 権利侵害 市民vs消費者 不十分な情報と限定合理性 適応的選好 リスクの多様性 困難なケース グローバルなリスク削減と国別の評価

第6章 将来
さまざまな見解 選好を根拠とする 健康vs金銭、潜在的損害vs将来世代 仮想の「最終世代」 割引への反論 メトセラ、フューチャーヴィル、プレゼントヴィル 気候変動について 豊かな子孫 世代間の公平 世代間の問題に対する手荒な反応 持続的な開発について

結論

解説 『最悪のシナリオ』を読んで  齊藤誠
索引/原注


著訳者略歴

キャス・サンスティーン
Cass R. Sunstein

1954年生まれ。法学者。専門は憲法、行政法、環境法。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
田沢恭子
たざわ・きょうこ

翻訳家。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
齊藤誠
さいとう・まこと

1960年生まれ。京都大学経済学部卒。マサチューセッツ工科大学経済学部博士課程修了(Ph. D)。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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「最悪のシナリオ」の画像:

最悪のシナリオ

「最悪のシナリオ」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/360頁
定価 4,104円(本体3,800円)
ISBN 978-4-622-07699-5 C1036
2012年8月24日発行

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