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落語の国の精神分析

著者
藤山直樹

「この本の主題は、ひとつは落語の根多である。それは江戸から明治大正にかけての民衆の生みだしたフォークロアだと言ってよい。無名の民衆が作り出し、楽しみ続けてきたものには、必ず無意識の力が動いている。精神分析家として私は、それを読み解いてみたいと思った。
そしてもうひとつの主題は、落語家という人間の生き方だ。落語家も精神分析家も単にひとつの職業にとどまらない、ひとつの生き方であるように思う。落語家という、ひとりでこの世を相手にしている生き方と精神分析家には共通しているところがある。それを前提に落語家として生きるとはどんなことなのか、そのことに少しでも迫りたいと思った」(「まえがき」より)

与太郎、若旦那、粗忽者… 落語の国の主人公たちは、なぜこんなにも生き生きとして懐かしいのか? 登場人物たちのキャラクターと病理の分析を軸に、古典落語の人間観と物語の力を解き明かす。ひとり語りのパフォーミングアート・落語が生み出す笑いと共感のダイナミズムに迫り、落語家の孤独を考える。著者はいう、屑屋の狂気も長兵衛の無私も佐平次の放縦も、私たちを励まし元気づける、いくぶん奇妙な「自我理想」なのだ、と。
観て、聴いて、演るほどまでに落語に魅せられてきた精神分析家による、渾身の落語評論。
巻末には立川談春師匠との対談「落語の国の国境をこえて」を収録。


目次


まえがき

孤独と分裂――落語家の仕事、分析家の仕事
「死」と「死体」のあいだ――「らくだ」
変わること、夢見ること――「芝浜」
若旦那の悲喜劇――「よかちょろ」
無私、江戸っ子、生き続けること――「文七元結」
粗忽と乖離――「粗忽長屋」
与太郎とは誰か
できごととしての「居残り」――律儀と放縦
男はつらいのか――「明烏」若旦那の変容
「生きている」ことと「死んでいる」こと――「寝床」
立川談志という水仙

対談 立川談春×藤山直樹
落語の国の国境をこえて

あとがき


著訳者略歴

藤山直樹
ふじやま・なおき

1953年福岡県生まれ。幼少期を山口県の瀬戸内海岸で育つ。1978年東京大学医学部卒業。専攻、精神分析。現在、上智大学総合人間科学部心理学科教授。東京神宮前にて精神分析家として個人開業。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

松本尚久(放送作家)
<中国新聞 2012年12月23日(日)>
<芸術新潮 2013年1月号>
松山巖(評論家・作家)
<読売新聞 2013年1月6日(日)>
鈴木晶(法政大学教授)
<日本経済新聞 2012年12月16日(日)>
田中優子(法政大学教授・近世比較文学)
<朝日新聞 2013年1月13日(日)>
原田誠一 <精神療法 2013年6月号(第39巻3号)>
成田善弘<精神分析研究 Vol. 57, № 2(2013年)>
長薗安浩<週刊朝日 2013年9月27日号>
<朝日新聞「天声人語」 2015年12月31日>

関連リンク

この本の関連書


「落語の国の精神分析」の画像:

落語の国の精神分析

「落語の国の精神分析」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/272頁
定価 2,860円(本体2,600円)
ISBN 978-4-622-07704-6 C0011
2012年11月9日発行

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