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サイード音楽評論 2

MUSIC AT THE LIMITS


「思想と同じように、音楽においても小さな細部が精密に調和することで、初めて大きな視野が生まれるのである。コンサートや演奏に接するときのサイードはこうした細部に目を向けていた。多くの専門家も、そのいくつかは見過ごしてしまいそうな細かい点にである。主題について知的に表現するための知識を持たない批評家や、先入観なしに聴く能力が欠けている批評家もいるが、サイードは多くの点でそうした批評家たちとの違いをあきらかにしていた。先入観なしに音楽を聴けない批評家のばあいにはっきりいえるのは、最良のときでも彼らは作品について“正しい”解釈という考えを捏造することである」。
(「序文」ダニエル・バレンボイム)

音楽はひたすらに聴けばよい、評論はいらない、というのも一つの真理かもしれない。しかし「小さな細部が精密に調和する」議論が展開されるのを目のあたりにし、そこに「大きな視野が生まれる」とき、音楽はより豊かになるだろう。聴き手ばかりでなく演奏家にとっても刺激に満ちた評論集の第2巻。
巻末の「補遺 バッハ/ベートーヴェン」は、未完のまま断念された本の起草文。音楽がサイードのもうひとつのライフワークであったことがうかがえる、貴重な文章である。


目次


第2部 一九九〇年代(承前)
25 バード音楽祭
26 ヴァーグナーに対しては不忠実であるほうが忠実である
27 身ぶりの音楽
28 ベルリオーズ『トロイアの人びと』
29 モーツァルトという子供の戯れ――メイナード・ソロモン著『モーツァルト』
30 『グレン・グールドにまつわる三二の短篇映画』
31 バッハの天才、シューマンの奇矯、ショパンの残酷、ローゼンの才気――チャールズ・ローゼン著『ロマン派の世代』
32 ブーレーズを聴く理由
33 ヒンデミットとモーツァルト
34 マイケル・タナー著『ヴァーグナー』
35 ピーター・オストウォルド著『グレン・グールド伝』
36 『フィデリオ』について
37 音楽と舞台演出――『チェネレントラ』『道楽者のなりゆき』
38 ゴットフリート・ヴァーグナー著『ヴァーグナー家の黄昏』
39 隣人のためのバッハ

第3部 二〇〇〇年代
40 文化の壁を越えた絆――ダニエル・バレンボイム
41 グレン・グールド 知識人であった巨匠
42 宇宙的な野心――クリストフ・ヴォルフ著『ヨハン・ゼバスティアン・バッハ』
43 バレンボイムとヴァーグナーの禁忌
44 時機を逸した瞑想――メイナード・ソロモン『晩年のベートーヴェン』
補遺 バッハ/ベートーヴェン

訳者あとがき
索引


著訳者略歴

エドワード・W・サイード
Edward W. Said

1935年11月1日、イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学卒業、ハーヴァード大学で学位を取得。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
二木麻里
ふたき・まり

1960年生まれ。上智大学外国語学部卒。東京大学大学院学際情報学府博士課程在。和光大学非常勤講師。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

中村晃也(音楽理論)
<レコード芸術2013年3月号 >
小宮正安(横浜国立大学、ドイツ文学・ヨーロッパ文化史専攻)
<週刊読書人 2013年1月25日(金)>
宮沢昭男(音楽評論家)
<しんぶん赤旗 2013年2月17日>
椎名誠<東京新聞 2013年3月3日(日)>

関連リンク

この本の関連書


「サイード音楽評論 2」の画像:

サイード音楽評論 2

「サイード音楽評論 2」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/328頁
定価 3,456円(本体3,200円)
ISBN 978-4-622-07725-1 C0010
2012年11月22日発行

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