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映像の歴史哲学


〈歴史を問い、歴史を批判し、出来事の歴史を乗り越えたところにある深層の「歴史」の断面を、ほとんど神話化された歴史の形象を、その日常への不意の顕れを、ひたすら凝視すること。表象やイメージとして出現する「歴史」の揺らぐ実相を相手にした多木浩二の思想的実践は、その意味で、日々を生きる人間の個人的感情や記憶と、それらが実を結ぶためにはたらいている歴史的過程への深い考察とをともに一つの帆にはらんで進む、世界という荒れ狂う海への冒険航海の試みだったといえるだろう〉
(今福龍太「後記」より)

札幌大学での「映像文化論」講義を編集して、本書は成った。ここには著者の活動の軌跡と思考のすべてが鮮やかに凝縮されている。
子供時代に生まれて初めて見たリーフェンシュタールの映画『オリンピア』にはじまり、自身が関わった写真雑誌『プロヴォーク』を中心に、中平卓馬や東松照明と共に生きてきた時代のこと、マリネッティはじめ未来派の問題性、バルトやフーコーとの出会い、そして著者の思考の核にもなったヴァルター・ベンヤミンについて。20世紀という現在を歴史的現在として捉えようとする歴史哲学の試み。


目次


歴史の天使

第一章 ルプレザンタシオン──世界を探究する
第二章 反‐オーソリティー──あらゆる他者と出会う
第三章 ヒストリカル・フィールド――私たちが知を形成する以前
第四章 未来派――二〇世紀を考える
第五章 オリンピア――すべてが映像になるために作られた神話
第六章 クンスト――日常の技芸を守る

後記


著訳者略歴

多木浩二
たき・こうじ

1928-2011。哲学者。神戸市に生まれる。旧制第三高等学校を経て、東京大学文学部美学科を卒業。東京造形大学教授、千葉大学教授、神戸芸術工科大学客員教授などを歴任。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
今福龍太
いまふく・りゅうた

文化人類学者。1955年東京生まれ。メキシコ、カリブ海などで人類学的調査に従事。2005年より東京外国語大学教授。サンパウロ・カトリック大学でも随時セミナーをもつ。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

吉見俊哉(東京大学教授)
<2013年8月4日(日):日本経済新聞>
吉成秀夫<2013年9月1日(日):北海道新聞>
<2013年9月18日:京都新聞>
<2013年9月15日(日):信濃毎日新聞>

関連リンク

この本の関連書


「映像の歴史哲学」の画像:

映像の歴史哲学

「映像の歴史哲学」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/232頁
定価 3,024円(本体2,800円)
ISBN 978-4-622-07754-1 C0010
2013年6月25日発行

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