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世界の見方の転換 1

天文学の復興と天地学の提唱

著者
山本義隆

『磁力と重力の発見』『一六世紀文化革命』に続き「なぜ、どのように西欧近代において科学が生まれたのか」を探る、近代科学誕生史〈三部作〉の堂々たる完結篇。“遠隔力”の問題とともに、著者が17世紀科学革命への「戦略高地」の一つであったと見る天文学の近代科学化を、16世紀文化革命はいかに準備したのか。
プトレマイオス理論の復元にはじまり、コペルニクス地動説をへてケプラーの天体力学へいたる15-16世紀の天文学史の展開は、観測にもとづく天文学を、自然哲学としての宇宙論より上に据えるという学問上の下剋上をなしとげ、まったく新しい自然研究のあり方を生みだした。多くの科学史家を虜にしてきたこの一大変革を、著者は前作から貫かれる独自の視座と周到な目配りで捉えなおす。
話は、後世の天文研究の改革にとって最大級の足がかりになると同時に障壁にもなった、プトレマイオスの数学的天文学から始まる。アリストテレス宇宙論とプトレマイオス理論の屈折した関係、そしてこの理論が二千年紀にわたり通用したほどの精度をもつ理由が、スリリングに説き明かされる。レギオモンタヌスら人文主義者がその体系を復元し、数学や観測による天文学を自然哲学への有力なアプローチと位置づけることで、変革への最初の一歩を刻む第1巻。


目次


まえがき(PDFファイル、2.4MB)ダウンロードはこちら

第1巻 天文学の復興と天地学の提唱

第1章 古代世界像の到達地平――アリストテレスとプトレマイオス
1 アリストテレスの宇宙像
2 プラトンの影響
3 プトレマイオスにとっての天文学
4 プトレマイオスの太陽と月の理論
5 プトレマイオスの惑星理論
6 誘導円・周転円モデルの背景
7 離心円・等化点モデルの精度
8 宇宙の大きさと『惑星仮説』
9 天文学と自然学の分裂と相克
10 プトレマイオスの『地理学』

第2章 地理学・天文学・占星術――ポイルバッハをめぐって
1 人文主義とプトレマイオスの復活
2 ドイツの人文主義運動
3 15世紀のウィーン大学
4 ポイルバッハと『惑星の新理論』
5 ポイルバッハの天文学
6 実学としての中世天文学
7 西欧占星術の起源をめぐって
8 キリスト教と占星術
9 地理学と占星術
10 宮廷数学官の誕生

第3章 数学的科学と観測天文学の復興――レギオモンタヌスとヴァルター
1 数学的科学の復活
2 レギオモンタヌスと三角法
3 レギオモンタヌスのプトレマイオス批判
4 レギオモンタヌスと同心球理論
5 科学の進歩という概念の出現
6 レギオモンタヌスの天体観測
7 自然科学書の出版計画
8 エフェメリデスとカレンダー
9 弟子ヴァルターと観測天文学

第4章 プトレマイオス地理学の更新――天地学と数理技能者たち
1 プトレマイオスの『地理学』をめぐって
2 ベーハイムとヴェルナー
3 デューラーとその周辺
4 携帯用日時計の製作をめぐって
5 ヨハネス・シェーナー
6 天地学とヴァルトゼーミュラー
7 プトレマイオス『地理学』の対象化
8 セバスティアン・ミュンスター
9 フィールド作業と協働研究
10 ペトルス・アピアヌス
11 『皇帝の天文学』

付記A プトレマイオス天文学補遺
A-1 太陽軌道の決定
A-2 金星軌道パラメータの決定
A-3 プトレマイオス・モデルとケプラー運動の比較
A-4 古代における月と太陽までの距離の推定

注記
雑誌名・全集名・辞典名・著者名略記号


著訳者略歴

山本義隆
やまもと・よしたか

1941年、大阪に生まれる。1964年東京大学理学部物理学科卒業。同大学大学院博士課程中退。現在 学校法人駿台予備学校勤務。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

水野和夫((日本大学教授・経済学))
<朝日新聞 2014年6月1日>
池内了(宇宙物理学者)
<信濃毎日新聞 2014年6月8日>
猪野修治(科学史、湘南科学史懇話会主宰)
<週刊読書人 2014年8月15日(金)>
小松美彦(武蔵野大学教授、科学史・生命倫理学専攻)
<週刊読書人「2014年の収穫」 2014年12月12日(金)>
佐々木力(中国科学院大学教授、科学史・科学哲学専攻)
<週刊読書人「2014年の収穫」 2014年12月12日(金)>
菊地原洋平<化学史研究 Vol. 42>

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「世界の見方の転換 1」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/440頁
定価 3,672円(本体3,400円)
ISBN 978-4-622-07804-3 C1340
2014年3月20日発行

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