みすず書房

「ポルト=ジョワの丘陵地帯のほうへ、ポールと自転車で。詩節、林檎。群れ、リエカ。誘拐。北斎、ベゴニア。いつもいっしょだったあの歳月の後。別離という試練はカールを茫然自失させ、余裕もなく立ち直ることもできず、彼は現実に直面するしかなかった。ある神秘的遺産を除いて。けっして宗教ではない。けっして超越性ではない。ひび割れた内在性、まったく未熟でもある。それはいつも何かの役に立つだろう。自己と宇宙の征服。ヴィクトールの死の代償として鋳固められた魔術的全能。彼はついに何がなんでもベルナデットに対する愛を強めることになった。そこにどれほど距離があろうと。だが他者、第三者が木霊し、侵入し、痛みを与える。ジョフレーがいつもいたるところにいる。カオスモーズの指針。…」

ジル・ドゥルーズいわく、「なんと感動的で不思議なテクストでしょう、幼少期、芸術、思考が混じりあっている。まるでフェリックスが戻ってきたような、あるいはむしろ、いつもここにいたかのようです」。1992年、死の直前に書きあげられたカオスミックな詩的自伝。157の断章からなる「さえずり機械」にして、みずから提唱した「リトルネロ分析」の試み。デュイゾンのガタリ邸で1984年に実施されたインタビュー「分裂分析のほうへ」を付す。

目次

リトルネロ  宇野邦一・松本潤一郎 訳
付録 分裂分析のほうへ  宇野邦一 訳・聞き手
解説 ガタリ、リトルネロ、プルースト  宇野邦一
訳者あとがき

書評情報

鈴木創士(仏文学者・作家)
週刊読書人2015年2月6日号
杉村昌昭(フランス現代思想)
図書新聞2015年2月14日号

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