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科学・技術と現代社会 下

著者
池内了

〈私はかねてから「新しい博物学」の構想を述べてきた。理系の科学知と文系の人間知を結びつけるという意味で、「新しい」タイプの博物学を打ち出し、物語として科学を語ることを目指している。科学は人間が生きていく中で出会う物語のひとつであり、人々が文化として味わい共感することで成り立つものであると思う。…要するに文学・芸能・歴史・民俗学・宗教などの分野と科学をひとつに合わせて、総体としての人間を捉えようという試みと考えていただきたい。科学の知が分断されて人間と切り離されていることの反省から思いついたものだ〉(「最後の最後に」)

(下)には、科学者の倫理と社会的責任、安全性の考え方、エネルギー・資源問題、地球環境問題、核エネルギー問題、バイオテクノロジー問題、情報化社会問題など全7章および3つの課外講義を収録。


目次


第 III 部 科学と科学者倫理
第九章 科学者の倫理と社会的責任
1 科学の二面性に対して
2 科学者の行動規範
3 科学者の心情の特質
4 科学者の三つの責
5 科学者の倫理責任
五・一 倫理違反/五・二 倫理違反の古典例/五・三 最近の国際的な事例/五・四 最近の日本の事例
6 社会への説明責任
六・一 研究予算への説明責任/六・二 説明責任としての大学評価/六・三 その他の説明責任
7 科学者の社会的責任
七・一 歴史/七・二 JASONとUCS・UAS/七・三 社会的責任を果たす

第十章 安全性の考え方
1 「安全」と「安心」
2 リスク評価と安全性の証明
3 リスク評価の「進化」
4 安全性の証明法
5 事故の背景
6 ハインリッヒの法則
7 チャレンジャー事故の教訓
8 レギュラトリー・サイエンス

課外講義 IV トランス・サイエンス問題
1 どんな問題がある
一・一 反倫理性を内蔵する科学・技術の問題/一・二 不確実な科学知の問題/一・三 技術の「妥協」の問題/一・四 確率・統計現象に関わる問題/一・五 「共有地の悲劇」が予想される問題/一・六 コスト・パフォーマンス論に関わる問題/一・七 レギュラトリー・サイエンスに関わる問題
2 持ち込むべき科学以外の論理
二・一 通時性の思考の回復/二・二 予防措置原則/二・三 少数者・弱者・被科害者の立場の尊重

第 IV 部 科学・技術と現代社会を巡る諸問題
第十一章 エネルギー・資源問題
1 文明社会の盛衰
2 地下資源文明
3 エネルギー源の問題
三・一 在来型エネルギー源/三・二 非在来型エネルギー/三・三 再生可能エネルギー/三・四 エネルギー資源の枯渇がもたらすもの
4 鉱物資源問題
四・一 存在量と使用目的による分類/四・二 問題点
5 水資源問題
6 私たちの今後

第十二章 地球環境問題
1 地球温暖化
一・一 地球温暖化の実態と原因/一・二 地球温暖化のフィンガープリント/一・三 複雑な関係/一・四 異論
2 オゾン層の破壊
3 その他の問題
三・一 酸性雨/三・二 森林破壊/三・三 水不足・砂漠化・塩類集積/三・四 海水汚染/三・五 その他の環境汚染
4 生態系の危機と持続可能性
5 環境問題に関わった国連の活動
五・一 一九七二年のストックホルム宣言/五・二 一九九二年のリオデジャネイロ宣言/五・三 一九九七年の京都議定書/五・四 二〇〇二年のヨハネスブルグ・サミット/五・五 二〇一二年の国連持続可能な開発会議/五・六 環境に関わる国際的な条約
6 エコロジカル・フットプリント

第十三章 核エネルギー問題
1 原子核と原子
2 核分裂(原爆)と核融合(水爆)
二・一 原爆/二・二 水爆/二・三 原爆・水爆開発の歴史
3 核兵器
4 核実験・人体実験・核実験禁止条約
四・一 核実験/四・二 核開発と人体実験/四・三 核実験禁止条約
5 核戦争の危機
6 核兵器削減交渉と核抑止論の欺瞞
7 原発開発の歴史
七・一 大型原発への道/七・二 日本の原発開発史/七・三 日本における主な原子力事故/七・四 日本の原子力政策の特異性
8 トリウム原子炉
9 核融合発電

第十四章 バイオテクノロジー問題
1 生命体の定義
2 分子生物学
3 遺伝子組み換え
三・一 原理と歴史/三・二 遺伝子組み換え作物/三・三 ヒトの遺伝子操作/三・四 ES細胞とiPS細胞
4 医療問題
四・一 バイオエシックス/四・二 中絶と生殖医療/四・三 安楽死・尊厳死/四・四 脳死と臓器移植/四・五 バイオエシックスからバイオポリティックスへ

課外講義 V 地下資源文明から地上資源文明へ
1 地下資源文明から
2 地上資源文明の時代へ
3 地下資源文明の技術体系
4 地上資源文明の技術体系
5 地上資源文明への可能性

第十五章 情報化社会問題
1 IT革命の歴史
2 IT技術の光(オープンサイエンス)
二・一 マルチメディアにより生活空間が拡大している/二・二 新しいタイプの学びの場が作られている/二・三 情報の電子化による知識の集積と利用が容易になっている/二・四 新しい等身大の科学の可能性が開けている/二・五 新しいビジネスが展開しつつある/二・六 電化製品などに使われ、省エネルギーに寄与する/二・七 人工知能などの新しい技術の展開に応用できる
3 IT技術の影
三・一 情報の集中化の危険性がある/三・二 デジタル化の弊害/三・三 情報から離れられなくなる/三・四 情報格差が生じる/三・五 ハイテク汚染
4 監視社会の現出
四・一 個人監視の必要性/四・二 個人監視の負の側面/四・三 より拡大した個人の監視
5 IT社会の未来
五・一 デジタル環境の整備/五・二 監視社会にならないために/五・三 情報選択の技術の習得/五・四 情報記憶媒体の喪失を防ぐ

課外講義 VI 生物の統一理論はあるのか
1 生物を特徴づける
2 代謝率と体重との関係
3 体重の3/4乗則の登場
4 恒環境動物としての人類
5 体重の3/4乗則が持つ意味
6 x/4乗則が意味すること

おわりに
1 科学者の評価の視点を変える
2 最後の最後に

あとがき


著訳者略歴

池内了
いけうち・さとる

1944年兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。総合研究大学院大学名誉教授。名古屋大学名誉教授。宇宙物理学専攻。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

須藤靖(宇宙物理学者・東京大学教授)
<2014年12月1日(日):読売新聞>
佐倉統(東京大学教授)
<2014年12月14日(日):朝日新聞>
兵藤友博(立命館大学教授)
<2015年2月15日(日):「しんぶん赤旗」>
吉岡斉(九州大学大学院教授)
<2015年1月12日(月):「公明新聞」>

関連リンク

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科学・技術と現代社会 下

「科学・技術と現代社会 下」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/384頁
定価 4,536円(本体4,200円)
ISBN 978-4-622-07835-7 C0040
2014年10月24日発行

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