私のもらった文学賞
MEINE PREISE
- 著者
- トーマス・ベルンハルト
- 訳者
- 池田信雄
〈ウイーン学術アカデミーのグリルパルツァー賞を受賞するにあたって背広を買わなければならなくなった。というのも授賞式の開始があと2時間に迫ったときになって急に、この明らかに特別な式典にズボンとセーター姿で臨むわけにはいかないと気づいたからだ〉
小説『消去』(上下、2004小社刊)で日本の読者の度肝を抜き、多くのファンを獲得したオーストリアの作家トーマス・ベルンハルト(1931-89)。文学界のグレン・グールドとも評されるまさしく孤高の作家が、総なめにしたドイツ語圏の最高の文学賞受賞時の状況を綴った9つの自伝的エッセーと授賞スピーチその他。
グリルパルツァー賞/ドイツ産業連盟文化栄誉賞/自由ハンザ都市ブレーメン文学賞/ユーリウス・カンペ賞/オーストリア国家賞文学部門賞/アントン・ヴィルトガンス賞/フランツ・テオドーア・チョコーア賞/連邦商工会議所文学賞/ビュヒナー賞… 各表題はきわめて無機質だが、文学賞受賞の場をスキャンダルに変えその内幕を描いた、笑いと涙と感動がないまぜになったまさしく空前絶後の本。ベルンハルト文学の真骨頂が、ここにある。
目次
私のもらった文学賞
グリルパルツァー賞
ドイツ産業連盟文化栄誉賞
自由ハンザ都市ブレーメン文学賞
ユーリウス・カンペ賞
オーストリア国家賞文学部門賞
アントン・ヴィルトガンス賞
フランツ・テオドーア・チョコーア賞
連邦商工会議所文学賞
ビュヒナー賞
スピーチ集
自由ハンザ都市ブレーメン文学賞授賞式のスピーチ
オーストリア国家賞文学部門賞授賞式のスピーチ
ゲオルク・ビュヒナー賞授賞式のスピーチ
退会の辞
編集付記
訳者あとがき
著訳者略歴
書評情報
- 池澤夏樹<文春図書館 2014年7月17日>
- 藤原智美(作家)
<エコノミスト 2014年7月15日> - 土屋勝彦(名古屋市立大学教授)
<図書新聞 2014年12月13日(土)> - 林央子<harpersbazaar.jp 2015年4月号>
関連リンク
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「私のもらった文学賞」の書籍情報:
- 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/176頁
- 定価 3,520円(本体3,200円)
- ISBN 978-4-622-07846-3 C0098
- 2014年6月20日発行