みすず書房

哲学への権利 2

DU DROIT A LA PHILOSOPHIE

判型 A5判
頁数 480頁
定価 7,920円 (本体:7,200円)
ISBN 978-4-622-07875-3
Cコード C1010
発行日 2015年11月25日
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哲学への権利 2

デリダの哲学教育論の集大成。第2巻では哲学が拠って立つ制度のすべてを問い直し、来たるべき哲学教育の構想を展開する。

〈私たちがここで提案している図式にしたがうなら、産業時代の黎明期より西洋で支配的である大学制度モデルにおいて確立されてきた、哲学とさまざまな知の関係を問いに付すこと——そしておそらくこの関係を転移させること——に行き着く〉

近代哲学がその始まりから国家の言語政策と緊密な関係を持っていたこと、デカルト、カント、シェリング、そしてハイデガーに至る大学への問い、軍事政策が文系・理系を問わず学問的合目的性を軍事目的に転換する危険、哲学することは学びえないが、哲学するためには学ばなくてはならないこと…
哲学教育を破壊しようとする力の所在を正確に見抜き、哲学が言語=国民的な権威に幽閉されることなく、現代の様々な問題に接続していく新たな道筋を切り拓く。全2巻の解題を付す。

目次

第II部 権威からの転移——哲学の言語と制度
翻訳した方がよいとすればI  哲学自身の国語による哲学(ある「フランス語の文献」に向けて)
翻訳した方がよいとすればII  デカルトの小説、あるいは語のエコノミー
空位の講座  検閲、教師性、教授性
翻訳の神学

第III部 モクロス——大学の眼
モクロス、あるいは諸学部の争い
句読点  博士論文の時間
大学の瞳  根拠律と大学の理念
哲学を讃えて
哲学という学問分野のアンチノミー  書簡による序文
さまざまなポピュラリティ  法哲学への権利について

第IV部 補遺
「誰が哲学を恐れるのか」(1980年)
複数のタイトル(国際哲学コレージュのために)(1982年)
キックオフ(国際哲学コレージュのために)(1982年)
哲学と科学認識論に関する委員会による報告書(1990年)

原註
訳註
訳者解題