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ファビアン

あるモラリストの物語

FABIAN

Die Geschichte eines Moralisten


「当時の大都市の状態を描いている本書は、詩や写真のアルバムではなく、風刺なのだ。あったことをそのまま記述せず、誇張している。モラリストたる者、自分の時代に突きつけるのは、鏡ではなく、ゆがんだ鏡。」
(新版への「まえがき」より)

ワイマール共和国末期、頽廃的な空気に覆われたベルリンを舞台に、ファビアンというひとりの男の生活を通して時代と社会を痛烈に風刺しつつ、ひとつの真実を描いた本書は、1931年の初版刊行と同時に大きな反響を呼び起こした。
深さよりは浅さを、鋭さよりは月並みを、曖昧さよりは明快さを大切にした、大胆なモラリストにして辛辣な風刺家ケストナー。その最高傑作とも評される長編小説を、初版から削除された章とあとがきとして考えられていた「ファビアンと道学者先生たち」「ファビアンと美学者先生たち」、さらに、戦後に書かれた二種類のまえがきを収めた初の完全版で贈る。


目次


第一章
ウエイターが神託を告げる
にもかかわらず客は出かける精神的にお近づきになるクラブ

第二章
じつに厚かましい女性が存在する
弁護士に異論はない
乞食をすると品格がそこなわれる

第三章
カルカッタで死者十四名
間違ったことをすることが正しいのである
カタツムリは輪になって這う

第四章
ケルンの大聖堂のように大きなタバコ
ホールフェルト夫人は好奇心が強い
間借り人がデカルトを読む

第五章
まじめな会話がダンスフロアで
パウラ嬢はこっそり剃っている
モル夫人がグラスを投げつける

第六章
メルキッシュ博物館での決闘
次の戦争はいつ起きるのか?
診断が確かな医者

第七章
頭のおかしいやつが舞台に立っている
パウル・ミュラーの、死のドライブ
浴槽メーカーの社長

第八章
学生たちの政治運動
父ラブーデは人生を愛している
アウセンアルスター湖畔で平手打ち

第九章
風変わりな若い娘たち
死にたがった男が元気になる
クラブの名前は「従妹(クジーネ)」

第十章
不道徳のトポグラフィー
愛はけっして消えることがない!
小さな違いが大きな違い!

第十一章
工場での不意打ち
クロイツベルクと奇人
人生は悪い習慣である

第十二章
発明家がロッカーのなかに
働かないことは恥である
母親の来訪

第十三章
百貨店とショーペンハウアー
男の売春宿
二枚の二十マルク札

第十四章
ドアのない道
ゼロフ嬢の舌
階段はスリだらけ

第十五章
青年はどのようであるべきか
駅の意味について
コルネリアが手紙を書く

第十六章
ファビアンは冒険を求めて出かける
ヴェディングでの銃声
ペレおじさんのノースパーク

第十七章
仔牛のレバー、筋のないところを
彼女に自分の意見を言う
セールスマンが我慢の限界に

第十八章
途方に暮れて家に帰る
警察はどうするつもりなんだろう?
悲しい光景

第十九章
ファビアンが友人の弁護をする
レッシングの肖像がまっぷたつに割れる
ハーレンゼーでの孤独

第二十章
自家用車のコルネリア
教授はまったく知らない
ラブーデ夫人が失神する

第二十一章
法学士、映画スターになる
昔の知り合い
母親が軟石鹸を売る

第二十二章
子どもの兵舎を訪れる
校庭で九柱戯(9ピン・ボーリング)をする
過去が角を曲がる

第二十三章
ピルゼン・ビールと愛国心
トルコ風ビーダーマイヤー
ファビアン、ただでもてなされる

第二十四章
クノル氏には魚の目がある
日刊新聞(ターゲスポスト)は有能な人材を必要としている
泳ぎを習っておけ!



ファビアンと道学者先生たち

ファビアンと美学者先生たち

まえがき(1946年)

まえがき(1950年)

盲腸のない紳士

訳者あとがき


著訳者略歴

エーリヒ・ケストナー
Erich Kastner

1899-1974。ドレスデンに生まれる。ライプツィヒ大学でドイツ文学を学び、1927年、ベルリンへ移って新聞・雑誌に演劇批評などを書く。1928年、詩集『腰の上のハート』『エミールと探偵たち』刊行。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
丘沢静也
おかざわ・しずや

1947年生まれ。ドイツ文学者。首都大学東京名誉教授。著書に、『下り坂では後ろ向きに』『マンネリズムのすすめ』『からだの教養』『コンテキスト感覚』など。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

(書評者を編集)< >

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この本の関連書


「ファビアン」の画像:

ファビアン

「ファビアン」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/312頁
定価 3,888円(本体3,600円)
ISBN 978-4-622-07877-7 C0097
2014年11月25日発行

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