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正義はどう論じられてきたか

相互性の歴史的展開

A BRIEF HISTORY OF JUSTICE


18世紀末以降、正義をめぐる議論は、功利主義と義務論の二つの立場へと収斂されてきた。しかし、正義論の勢力地図をこのような分類法に基づいて描くならば、それ以前の四千年にわたる正義をめぐる思想を存在しなかったことにしてしまう。
本書は古代バビロニア、古代イスラエル、また古代ギリシアの法や思想にみられる「正義の源流」に遡り、「相互性」という古来から用いられてきた正義の概念をふたたび机上に載せることで、今日の正義をめぐる議論を功利主義・義務論の二項対立から解き放つものである。
かつて、正義は人々への生産物の公正な分配よりも、人々のあいだの相互尊重に基づくものと考えられていた。プラトン、アリストテレスらの古代哲学、ヒューム、ベンサムら近代の功利主義思想、カントの義務論的道徳理論、そしてロールズによる「公正としての正義」という思想へ――。その壮大な歴史において、「相互性」の概念がまぎれもなく正義論の土台の一部となっていることが、本書を通して鮮やかに理解されるであろう。
近代以降の西洋思想の中で置き去りにされてきた第三の視点によって捉え直す、正義論の新たな見取り図である。


目次


日本語版への序文
序文
プロローグ――標準モデルから正義の感覚へ
第一章 正義の地勢図
第二章 プラトン『国家』における目的論と教育
第三章 アリストテレスの正義の理論
第四章 自然から人為へ――アリストテレスからホッブズへ
第五章 効用の登場
第六章 カントの正義の理論
第七章 社会正義という考え
第八章 公正としての正義の理論
エピローグ――社会正義からグローバル正義へ?
訳者解説

索引


著訳者略歴

デイヴィッド・ジョンストン
David Johnston

1951年生まれ。コロンビア大学政治科学部教授。政治思想研究国際学会代表、ニューヨーク政治学会会長などを歴任。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
押村高
おしむら・たかし

1956年東京都生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。青山学院大学国際政治経済学部教授。専門は政治学、政治思想史, 国際関係論。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
谷澤正嗣
やざわ・まさし

1966年埼玉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程単位取得退学。政治学修士。早稲田大学政治経済学術院准教授。専門は政治理論。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
近藤和貴
こんどう・かずたか

1978年群馬県生まれ。Boston College修了。Ph. D. 日本学術振興会特別研究員(PD)。専門は政治学、政治思想史。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
宮崎文典
みやざき・ふみのり

1980年岡山県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程満期退学。博士(文学)。青山学院大学非常勤講師。専門は哲学・倫理学、特に古代ギリシア哲学・倫理学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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正義はどう論じられてきたか

「正義はどう論じられてきたか」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/288頁
定価 4,860円(本体4,500円)
ISBN 978-4-622-07890-6 C1031
2015年1月9日発行

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