みすず書房

正義はどう論じられてきたか

相互性の歴史的展開

A BRIEF HISTORY OF JUSTICE

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 288頁
定価 4,950円 (本体:4,500円)
ISBN 978-4-622-07890-6
Cコード C1031
発行日 2015年1月 9日
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正義はどう論じられてきたか

18世紀末以降、正義をめぐる議論は、功利主義と義務論の二つの立場へと収斂されてきた。しかし、正義論の勢力地図をこのような分類法に基づいて描くならば、それ以前の四千年にわたる正義をめぐる思想を存在しなかったことにしてしまう。
本書は古代バビロニア、古代イスラエル、また古代ギリシアの法や思想にみられる「正義の源流」に遡り、「相互性」という古来から用いられてきた正義の概念をふたたび机上に載せることで、今日の正義をめぐる議論を功利主義・義務論の二項対立から解き放つものである。
かつて、正義は人々への生産物の公正な分配よりも、人々のあいだの相互尊重に基づくものと考えられていた。プラトン、アリストテレスらの古代哲学、ヒューム、ベンサムら近代の功利主義思想、カントの義務論的道徳理論、そしてロールズによる「公正としての正義」という思想へ——。その壮大な歴史において、「相互性」の概念がまぎれもなく正義論の土台の一部となっていることが、本書を通して鮮やかに理解されるであろう。
近代以降の西洋思想の中で置き去りにされてきた第三の視点によって捉え直す、正義論の新たな見取り図である。

目次

日本語版への序文
序文
プロローグ——標準モデルから正義の感覚へ
第一章 正義の地勢図
第二章 プラトン『国家』における目的論と教育
第三章 アリストテレスの正義の理論
第四章 自然から人為へ——アリストテレスからホッブズへ
第五章 効用の登場
第六章 カントの正義の理論
第七章 社会正義という考え
第八章 公正としての正義の理論
エピローグ——社会正義からグローバル正義へ?
訳者解説

索引