ウイダーの副王
THE VICEROY OF OUIDAH

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 232頁 |
定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
ISBN | 978-4-622-07908-8 |
Cコード | C0097 |
発行日 | 2015年5月25日 |
備考 | 現在品切 |

THE VICEROY OF OUIDAH
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 232頁 |
定価 | 3,740円 (本体:3,400円) |
ISBN | 978-4-622-07908-8 |
Cコード | C0097 |
発行日 | 2015年5月25日 |
備考 | 現在品切 |
「何ゆえにこうした神秘に惹きつけられるのか、彼にはついにわからなかった。流血のせいなのか? 神のせいなのか? 汗の匂いや、濡れて光る肉体のせいなのか? この熱中を断ち切ろうにも彼の力はまったくおよばず、結局、アフリカが彼の運命なのだと納得して、彼はアフリカの花嫁をめとった。」
この物語は1970年代のベナンで始まる。ダ・シルヴァー族が各地から集まって、開祖フランシスコ・マノエルの没後117年を記念する祝宴が繰り広げられていた。
フランシスコ・マノエルはブラジルでの極貧生活に見切りをつけ、1812年、大西洋を渡り、西アフリカで奴隷商人として身を立てる決心をする。鉄の意志のほか何の武器も持たずに、ダホメー王から「副王」の地位を得た彼は、ウイダーの地で巨万の富を築き権勢を振るう。しかし、その栄光も長くは続かなかった……。
大西洋の両岸、二世紀の時間を舞台に、常軌を逸した出来事の連鎖の中のきらめく一瞬をとらえた映像のつらなりを通じて、人間に可能な残虐さ、酷薄さの極地が描かれ、それゆえに人間の強さ、情愛の深さが浮かび上がる。『パタゴニアにて』の次にチャトウィンが発表した、魂の震えるような作品。旅する作家・旦敬介による新訳。
ウイダーの副王
解説 (旦敬介)