日本鉄道歌謡史 1
鉄道開業~第二次世界大戦

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 288頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-07934-7 |
Cコード | C1021 |
発行日 | 2015年8月10日 |

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 288頁 |
定価 | 4,180円 (本体:3,800円) |
ISBN | 978-4-622-07934-7 |
Cコード | C1021 |
発行日 | 2015年8月10日 |
歌と鉄道をめぐる日本近現代史。明治から現在まで、日本の歌謡曲、ポップス、唱歌などから、鉄道を歌った歌、鉄道が情景として出てくる印象的な歌を約50曲選び、時代順に論じる。
鉄道ソングから日本の近現代史を読み解くという、類のない試みである。日本が西洋近代化路線を選んだことで、日本人は、何を手に入れ、何を失ったのか。戦後70年、歴史の重大な分岐点に立つ今、日本人の姿を歴史的に曇りなく見直す試みがなされている。全編書き下ろし。
「鉄道は近代国家日本の建設と、人びとの生活の近代化を推し進める強力な要因だったと、しばしば指摘される。そうだとすれば、鉄道の姿を通して、この国の人びとが体験した近代化の諸相を探ることが可能なはずだ。ただし、近代化を天下国家の視点ではなく、平凡な生活者の視点から捉えてみたい。多くの人びとにとって、鉄道が体現していた近代とはどのようなものだったのか。鉄道は庶民の意識や暮らしをどう近代化したのか。人びとの暮らしの近代化は、逆に鉄道をどう変えたのか。そういったことを考えてみたい。
その際、鉄道を歌った庶民的な流行歌や愛唱歌などが格好の手がかりになるだろう。鉄道の歌を通して、人びとが体験した近代化のさまざまな側面を考えてみよう。さらにそこから、私たちの社会が今、どのような未来に向かおうしているのか、ということも考えてみよう。……
本書は、ささやかな日本鉄道史であり、少々変わった日本流行歌史でもある。鉄道に関心のある方は前者に、音楽に関心のある方は後者にウエイトを置いて読んでいただき、しばし立ちどまって、私たちの過去、現在、未来について考えていただければ幸いである。」
(「はじめに」より)
はじめに
I 鉄道という異物
1 しょんがいな(しょんがえ節)……1872年頃
2 開化気楽謡……1873年頃
3 ひやひや節……1885〜86年頃
4 レールエ節(詞・土谷金太郎)……1896年頃
5 当世流行えんかいな節……1898〜99年頃
II 鉄道の旅
6 戒青年(欣舞節)(詞・横江鉄石)……1891〜92年頃
7 東北漫遊(愉快節)(詞・酔郷学人)……1895〜97年頃
8 汽車の旅(欣舞節)(詞・横江鉄石)……1897年
9 鉄道唱歌(東海道編)(詞・大和田建樹/曲・多梅稚)……1900年
10 汽車(曲・大和田愛羅/文部省唱歌)……1912年
11 松の声(女学生堕落の歌)(詞/曲・神長瞭月)……1907年
12 あゝ踏切番(詞/曲・添田啞蟬坊)……1918年
引き込み線(1) 鉄路のサンバ〜奥中山の三重連
III 都市を行く電車
13 スカラーソング(詞・神長瞭月/曲・滝廉太郎)……1909年頃
14 電車問題市民と会社(詞・不知山人/曲・のむき山人)……1906年
15 電車唱歌(詞・石原和三郎/曲・田村虎蔵)……1905年
16 電車(詞・葛原𦱳/曲・小松耕輔)……1916年
17 東京節(詞・添田さつき/曲・「ジョージア・マーチ」)……1919年
18 復興節(詞・添田さつき/曲・添田さつき)……1923年
19 東京行進曲(詞・西条八十/曲・中山晋平/歌・佐藤千夜子)……1929年
20 グッド・バイ(詞・佐藤義美/曲・河村光陽)……1937年
引き込み線(2) シッタンガラガラ〜沖縄のケービン
IV 戦争と鉄道
21 日本陸軍(詞・大和田建樹/曲・深沢登代吉)……1904年
22 鴨緑江節(詞・岡田三面子/伝承曲)……1920年
23 北はアムール(詞・村田豊次/曲・太田畔三郎)……1937年
24 大陸列車(詞・吉田碌務/曲・陸奥明/歌・塩まさる)……1940年
25 軍国の母(詞・島田磬也/曲・古賀政男/歌・美ち奴)……1937年
26 兵隊さんの汽車(詞・富原薫/曲・草川信)……1940年
27 海の底さへ汽車は行く(詞・坂本正雄/曲・大久保徳二郎/歌・東海林太郎ほか)……1943年
引き込み線(3) センチメンタルな旅と比島決戦
参考文献