みすず書房

国境なき医師団

終わりなき挑戦、希望への意志

DOCTORS WITHOUT BORDERS

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 480頁
定価 5,940円 (本体:5,400円)
ISBN 978-4-622-07948-4
Cコード C0036
発行日 2015年12月24日
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国境なき医師団

本書において、国境なき医師団が、アフリカからロシアまで、戦場や震災地、スラムに赴き、エイズ、結核、マラリアなど様々な病気と闘う様子が描かれている。医師団の、その熱意に満ちた行動は、どのような信念に支えられているのか。
そして、彼らは、行動にあたって、人道支援の境界や任務遂行に伴うリスクにどう対処しているのか等々、理念と活動、組織の有り様を詳述する。
また、誕生から現在までの歴史・展開も解説する。組織としてのノーベル章受賞(1999年)の際のスタッフ間の活発な議論も読みどころである。米国を代表する医療社会学者による決定版と言えるだろう。
国境なき医師団として、いつどこで介入すべきか、そのタイミングの重要性。人員、物資、資源の配分の仕方はどうしているのか。長期プロジェクトと短期緊急の判断はどう区別しているのか。個人への対応と共同体への支援のバランスをどう考えるのか、など。著者自身が活動に参与した体験をふまえて書かれた力作である。

「国境なき医師団がノーベル平和賞を受賞したときのスピーチに、「人道支援とは、尋常ではない地域に『尋常な空間』を築くこと」とあった。戦争をとめることはできなくても、そこにささやかな「尋常な空間」を作り出し、そのなかに弱者を助け入れる。そういう「平和」の体現方法を、そして、そのために身を粉にして働く彼らの姿を、私たちは、けっして忘れてはならない」(「訳者あとがき」より)

目次

序文 追求

第一部 序章
第一章 現地からの声

第二部 成長にともなう痛み
第二章 発端、分裂、危機
第三章 ノーベルか反抗者か
第四章 MSFギリシアの除名
第五章 MSFギリシアの復帰

第三部 討議の文化
第六章 ラ・マンチャ

第四部 南アフリカで
第七章 HIV/エイズと闘う
第八章 カエリチャで
第九章 非西欧的存在の誕生

第五部 ポスト社会主義ロシア
第十章 モスクワのホームレスとストリートチルドレンに手を差し伸べる
第十一章 シベリアの刑事施設で結核に取り組む

終章 過去を思い起こし、将来を思い描く

謝辞
原注
訳者あとがき
索引

書評情報

中村安秀(大阪大学教授)
日本経済新聞2016年2月21日(日)
山田満(早稲田大学教授)
公明新聞2016年2月8日(月)
舘俊平(国境なき医師団日本)
図書館教育ニュース2016年12月8日号

関連リンク

国境なき医師団 公式ウェブサイトで本書紹介

「深い洞察に富む原文もさることながら、坂川雅子氏による明晰な翻訳で、大変わかりやすく読みやすい名著です」とご紹介いただいています。