建築家の読書塾
判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 328頁 |
定価 | 4,400円 (本体:4,000円) |
ISBN | 978-4-622-07959-0 |
Cコード | C0052 |
発行日 | 2015年12月24日 |
判型 | 四六判 |
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頁数 | 328頁 |
定価 | 4,400円 (本体:4,000円) |
ISBN | 978-4-622-07959-0 |
Cコード | C0052 |
発行日 | 2015年12月24日 |
「モダニズムの建築・都市理論は、いまや現実と乖離し説得力を失っている状況にある。〔…〕近代建築への〈異議申し立て〉としてあらわれたポストモダニズムは、たしかにモダニズム理論の弱点を衝いた面もあったが、その建築的な表現は一時的な流行として消費されてしまった。逆にポストモダニズムの表現上の空転は、現代がいまだに〈近代化=モダニゼーション〉の影響下にあることの逆証明のように思われる」
「ぼくたちは現在においても〈近代化=モダニゼーション〉の潮流から逃れることはできない。問題はモダニズムの建築・都市理論が、あまりにも純粋で抽象的すぎた点にあるのではないか」
編者が東大退官後の2010年、研究室OBを中心に始まった読書会の記録。とりあげられるのはベンヤミン『パサージュ論』、ギブソン『生態学的視覚論』、ルロワ=グーラン『身ぶりと言葉』、多木浩二『生きられた家』、コールハース『S, M, L, XL+』ほか。「日常性」「複雑性」「具体性」「歴史性」「無名性」「無意識」をキーワードに掲げつつ、全編担当者による問題提起的レビューと編者解説というゼミ形式で「ひとりで読むにはややヘヴィで、メンバー相互で突っ込んだ議論をしてみたい」12の書を読みとく。建築家からユーザーの立場へ、アートからデザインへ。「モダニズム運動の陰で捨象された〈近代〉をとらえる精細でオルタナティヴな視点の探索」の試み。巻末に「難波研究室必読書30冊」を付す。
はじめに ガイドマップにかえて 難波和彦
I 日常性の美学
ミシェル・ド・セルトー『日常的実践のポイエティーク』を読む
「建築の物語」西島光輔+栃内秋彦
「技術の起源へむかって」難波和彦
レム・コールハース『S, M, L, XL+』を読む
「〈+20年〉の推測から確信へ」小林恵吾
「プログラム‐調査‐理論化‐デザインの連鎖」難波和彦
エドマンド・バーク『崇高と美の観念の起原』を読む
「〈崇高〉が現代にもたらすもの」遠藤政樹+佐々木崇
「美学の深度」難波和彦
II 無意識の構造
多木浩二『生きられた家』を読む
「正しい誤読法」服部一晃
「機能主義2.0」難波和彦
バーナード・ルドフスキー『驚異の工匠たち』を読む
「ヴァナキュラーから建築を考える」岩元真明+川島範久
「自然と作為のデザイン論」難波和彦
J・J・ギブソン『生態学的視覚論』を読む
「知覚の多様性と対立性」岡崎啓祐+光嶋裕介
「生態学的建築論をめざして」難波和彦
III 自生的秩序と計画
ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』を読む
「大都市のゴッドマザー」岩元真明
「自生的デザインの可能性」難波和彦
マンフレッド・タフーリ『球と迷宮』を読む
「仕掛けられた難解な計画=企画をどう読みとくか」龍光寺眞人
「抑圧されたモダニズムの回帰」難波和彦
I・プリゴジン、I・スタンジェール『混沌からの秩序』を読む
「ノイジーな計画学」中川純+田中渉
「決定論的カオスの教え」難波和彦
IV 歴史の底流
磯崎新『建築における「日本的なもの」』を読む
「建築における〈国家的なもの〉のゆくえ」千種成顕+梅岡恒治
「〈日本的なもの〉のデ・コンストラクション」難波和彦
ヴァルター・ベンヤミン『パサージュ論』を読む
「〈鉄骨〉と〈室内〉の弁証法」岩元真明
「歴史の効用」難波和彦
アンドレ・ルロワ=グーラン『身ぶりと言葉』を読む
「欠乏から生まれる新しいリズム」杉村浩一郎+佐藤大介
「建築の原型へ」難波和彦
付録 難波研究室必読書30冊
あとがき 結論にかえて 難波和彦
執筆者紹介