みすず書房

「戸川秋骨は、英文学者で評論家で翻訳家で随筆家だ。随筆家というよりもエッセイストといった方がぴったりくる。……明治文学史にその名を輝かせている透谷や藤村よりも、私は、晩年になって滋味あふれるエッセイや回想文を発表していた孤蝶、禿木、秋骨の三人組の方が好きだ。中でも一番、私の体質に合っているのが秋骨のエッセイだ。」(坪内祐三)

秋骨のエッセイ集六冊から選んだ、傑作揃いのポルトレ集。秋骨独特のリズムにのって眼前に現れる、ケーベル、透谷、八雲、緑雨、魯庵、漱石、泡鳴たちは、まさしく、われらの同時代人である。

目次

ケエベル先生
知己先輩
大藤村講演会の一幕
三十余年前の学校生活
柏樹先生
至純狂熱の人北村透谷君
ソクラテス
山室大佐の追憶
小泉先生の旧居にて
斎藤緑雨君とチヤアルズ・ラム
他界の大杉君に送る書
団十郎の裸体姿
北村透谷君と私
与謝野寛氏の追憶
坪内先生に関する憶出
内田魯庵君
漱石先生の憶出
泡鳴君の墓石
ユウモアの福沢先生
杉森先生を憶ふ
粟野先生の長逝
岡倉先生の追悼
女人交遊
秋の夜の追憶(緑雨君の訪問)

「秋骨船」上船案内 坪内祐三
戸川秋骨君 平田禿木

書評情報

中野翠(コラムニスト)
朝日新聞2010年12月12日(日)