長谷川四郎 鶴/シベリヤ物語
大人の本棚

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 288頁 |
定価 | 2,640円 (本体:2,400円) |
ISBN | 978-4-622-08049-7 |
Cコード | C1393 |
発行日 | 2004年6月25日 |
備考 | 現在品切 |

判型 | 四六判 |
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頁数 | 288頁 |
定価 | 2,640円 (本体:2,400円) |
ISBN | 978-4-622-08049-7 |
Cコード | C1393 |
発行日 | 2004年6月25日 |
備考 | 現在品切 |
長谷川四郎、といえば「ぼくの伯父さん」みたいに軽快なタッチでブラックユーモアあふれるメルヘンを、またブレヒトの詩篇やカフカの短篇、アルセーニエフ『デルスウ・ウザーラ』やアラン=フルニエ『グラン・モーヌ』といった翻訳作品を愛好する方も多いことだろう。昨年「大人の本棚」シリーズの1冊として刊行した『谷譲次 テキサス無宿/キキ』の著者・谷譲次=長谷川海太郎に比肩する多才多芸ぶりだが、兄・海太郎に「テキサス無宿」あれば弟・四郎に「シベリヤ無宿」あり——本書は作家の原点をなす敗戦前後の満洲、シベリヤ抑留経験から紡ぎ出された初期名作集である。
「長谷川四郎の文業は、翻訳をふくめてじつに膨大で、洋の東西を縦横に往来する観があるが、その核心のところは、この一冊でほぼ窺えるでしょう」
「半世紀余もむかしの古証文ながら、どっこい、21世紀初頭のこんにちの空気に通じている。地球上にはいまも戦争が続発し、泥沼化して、生死混沌を漂う人々がいるではないか。空間と時間のへだたりをこえて、切迫のことではないか。
すいぶんむかしに読んじゃった、と仰言る方々も、ですから、ためしにもう一度手にとってみてください。このふしぎに沈着な物語たちは、きのうかたるきょうのこと、のようでもありませんか」(編者解説より)
珠玉の短篇「張徳義」「鶴」「選択の自由」「赤い岩」「シルカ」「掃除人」「ラドシュキン」「ナスンボ」「林の中の空地」の全9篇にくわえ、「猫の歌」「兵隊の歌」ほか精選の詩7篇。
I
猫の歌/海坊主の歌
I
張徳義/鶴/選択の自由/赤い岩
II
兵隊の歌
II
シルカ/掃除人/ラドシュキン/ナスンボ
III
逃亡兵の歌/復員列車の終着駅の歌
III
林の中の空地
IV
正直じいさんの歌/おかし男の歌
解説 小沢信男