みすず書房

世界遺産を五つも有する地中海最大の島シチリア。ギリシア、カルタゴ、ローマ、スペイン……積み重なる支配の歴史は独特の文化をかたちづくった。火山エトナとマフィアの島としても知られる。
同時にシチリアは数多の作家を生んでいる。本書は19世紀から20世紀にかけてのシチリア作家の短篇集。デ・ロベルトに始まり、ヴェルガ、ピランデッロ、ブランカーティ、ヴィットリーニ、ランペドゥーザ、そしてシャーシャまで7人の14篇はほとんど初めて紹介されるものばかりである。
ファシズムと戦争を挟んで、灼熱のなか、オリーブと葡萄酒、矜持と情熱、論理と諧謔にあふれたユニークな短篇を読むことは、この神秘の島への旅にも匹敵する文学の旅となるだろう。

目次

ロザリオ   デ・ロベルト
金の鍵   ヴェルガ
ルーパ   ヴェルガ
真実   ピランデッロ
ホテルで誰かが死んだので……   ピランデッロ
免許証   ピランデッロ
二度とも笑わなかった男の話   ブランカーティ
幸せな家   ブランカーティ
生への疑問   ヴィットリーニ
奴隷のような人間   ヴィットリーニ
幼年時代の場所   ランペドゥーザ
撤去   シャーシャ
言語学   シャーシャ
室内ゲーム   シャーシャ

編訳者あとがき

書評情報

田中貴子(甲南大学教授)
朝日新聞2011年2月6日(日)
東京新聞
2011年3月6日(日)
読売新聞
2011年2月20日(日)
朝日新聞(大阪版)
2011年2月12日
読売新聞(大阪版)
2011年2月15日
毎日新聞
2011年4月17日(日)

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