みすず書房

1980年に42歳で急逝した長崎・諫早の作家野呂邦暢。文学への確かな意志が込められた揺るぎない文体、目に焼きつくような強靱な表現力は、いまなお読む者に鮮烈な印象を与えてやまない。本書は野呂がもっともその資質を発揮した短篇の代表作「白桃」「鳥たちの河口」ほか、1945年8月9日に同級生のほとんどを失い、原爆をテーマに長篇を構想しながら叶わず逝った彼が、生前唯一発表した原爆を描いた作品「藁と火」(単行本未収録)など七篇をおさめる。
選と解説は、野呂をいちはやく見出し、担当編集者として伴走しつづけた元「文學界」編集長の豊田健次。野呂文学をもっとも深く知る人によるベスト・オブ・ベストを贈る。

目次

白桃
歩哨
十一月
水晶
藁と火
鳥たちの河口
花火

小説のタネ(豊田健次)
初出

書評情報

米本浩二
毎日新聞2011年5月16日(月)
朝日新聞
2011年6月4日(火)
長崎新聞
2011年5月22日
加藤利勝
朝日新聞2011年5月8日(日)
西日本新聞
2011年6月3日(金)
中村彰彦(作家)
週刊現代2011年6月18日
北海道新聞
2011年7月10日(日)
西正之
朝日新聞2011年6月14日(火)
井上育子(かごしま近代文学館学芸員)
南日本新聞2011年8月28日

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