みすず書房

自由人の暮らし方

池内紀の仕事場 4

判型 四六判
頁数 320頁
定価 3,080円 (本体:2,800円)
ISBN 978-4-622-08134-0
Cコード C0395
発行日 2005年2月14日
備考 現在品切
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自由人の暮らし方

自由人とはいったいどんな人なんだろうか? 厭人癖をもった付き合いにくい人間か? それとも……
これは難問である。考えても容易には答えは見つからないだろう。そこで、一つの解決法は具体的な例を挙げることだろう。たとえば、素白先生に野尻抱影、吉田健一、内田百訷、小林太市郎、辻まことからフリーデルやリテンベルク、チェーホフなど。これらの人びとは「共通して敏感な神経と鋭い感性をそなえていた。とともに、それをつつみこむ何かをもち、独特のスタイルで文をつづった。さいわいにもこのタイプは、しかつめらしいお説教をしない。意味ありげな訓戒をたれたりもしない。木の葉のように軽妙で、生得のユーモアをもち、風にしなる枝のようにやわらかい」
——どうです、読みたくなったでしょう。本書は、日常を稀有の単独者と歩くための恰好の道案内です。

目次

I 素白先生の散歩
素白先生/野尻抱影/内田百訷/吉田健一/長谷川四郎/小林太市郎

II 道化のような歴史家
ガレッティ先生/リヒテンベルク/チェーホフ/フリーデル

III 辻まことの肖像
ヤマノヒト/おやじについて/ある戦後/見知らぬオトカム/絵文字の登場/余白の宇宙/歩行者の思考/すぎゆくアダモ

仕事場ノート