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神話論理 I

生のものと火を通したもの

LE CRU ET LE CUIT

MYTHOLOGIQUES *


〈わたしは、先住民の哲学において料理が占める真に本質的な場を理解しはじめた。料理は自然から文化への移行を示すのみならず、料理により、料理を通して、人間の条件がそのすべての属性を含めて定義されており、議論の余地なくもっとも自然であると思われる――死ぬことのような――属性ですらそこに含められているのである〉(本書239ページ)

構造人類学の探究の頂点に位置し、20世紀思想の金字塔と讃えられるレヴィ=ストロースの主著『神話論理』(全5巻・原著は全4巻)を、ここに刊行する。10年以上の年月をかけ、ほぼ2000ページを費やして成ったこの大著は、南北アメリカ大陸先住民の813の神話を扱いながら、自然から文化への移行を読む驚くべき想像力、南アメリカのボロロの神話から北アメリカまで範囲を広げた地理的運動のダイナミズム、神話の論理にみられる二項対立の思考への構造分析の緻密さによって、まさに比類がない。神話的思考の普遍性をしめした、圧巻の文明批判の書でもある。

『生のものと火を通したもの』『蜜から灰へ』『食卓作法の起源』『裸の人1・2』の5巻は、それぞれが独立しながら相互に関係し、さらに『神話論理』全体が『今日のトーテミスム』『野生の思考』から『やきもち焼きの土器つくり』まで、著者のほぼ全著作と照応している。他巻同様、音楽的構成のきわだつ神話論理I『生のものと火を通したもの』は、「序曲」に続いて、全体の基準神話となるボロロの「鳥の巣あさりの神話」が論じられる。

ここからすべては始まるのだ。


目次


凡例
記号表

序曲
I
II

第1部 主題と変奏
I ボロロの歌
a 鳥の巣あさりのアリア/b レチタティーヴォ/c 第一変奏/d 不連続という間奏曲/e 第一変奏の続き/f 第二変奏/g コーダ
II ジェの変奏(六つのアリアとそれに続く一つのレチタティーヴォ)
a 第一変奏/b 第二変奏/c 第三変奏/d 第四変奏/e 第五変奏/f 第六変奏/g レチタティーヴォ

第2部
I 行儀作法についてのソナタ
a あからさまな無関心/b カエテツのロンドー/c 子供の礼儀作法/d 笑ってはならない
II 短い交響曲
第一楽章 ジェ/第二楽章 ボロロ/第三楽章 トゥピ

第3部
I 五感のフーガ
II オポッサムのカンタータ
a オポッサムの独唱/b ロンドー形式のアリア/c 第二の独唱/d フィナーレのアリア 火と水

第4部 平均律天文学
I 三声のインヴェンション
II 二重逆転カノン
III トッカータとフーガ
a プレヤデス星団/b 虹
IV 半音階の曲

第5部 三楽章からなる田舎風の交響曲
I 民衆的主題にもとづくディヴェルティメント
II 鳥たちの合唱
III 結婚

アマゾニア先住民と神話世界――『神話論理』の現在(木村秀雄)
訳者あとがき
動物図集
文献
神話索引
総合索引


著訳者略歴

クロード・レヴィ=ストロース
Claude Lévi-Strauss

1908年ベルギーに生まれる。パリ大学卒業。1931年、哲学教授資格を得る。1935-38年、新設のサン・パウロ大学社会学教授として赴任、人類学の研究を始める。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
早水洋太郎
はやみず・ようたろう

1941年に生まれる。1972年京都大学大学院文学研究科博士課程中退。愛知県立大学外国語学部教授。フランス文学専攻。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

『神話論理』全5冊のご案内

『裸の人』2の刊行をもちまして、レヴィ=ストロース『神話論理』は邦訳全5冊が完結いたしました。原著刊行から四十年越しのシリーズ完結です。

...続きを読む »

書評情報

依田彰<朝日新聞 2010年3月14日(日)>
<毎日新聞 2010年3月14日(日)>
<日本経済新聞 2010年3月7日(日)>
中条省平(学習院大学教授)
<朝日新聞 2007年3月4日(日)>

この本の関連書


「生のものと火を通したもの」の画像:

生のものと火を通したもの

「生のものと火を通したもの」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/576頁
定価 8,640円(本体8,000円)
ISBN 4-622-08151-2 C1010
2006年4月14日発行

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