みすず書房

山口茂吉がアララギの結社に入ってから30年、斎藤茂吉の死にいたるまで、この歌道における師弟の交わりは「形影相伴う」がごとく、また「大茂吉と小茂吉」ともいわれるほどの深い関係にあった。師・斎藤茂吉の山口茂吉評は「後生畏るべく」「子規・左千夫時代にもなかった新風をなし遂げた」というにある。
本書はこの両茂吉に親炙し、歌道の師と仰いだ著者による、山口茂吉の生涯と作品を追懐・記録する評伝である。
著者はいう「韋編三絶ということがあるが、私の場合三絶には及ばぬ迄も、愛蔵の先師の各歌集は綴糸が切れて今や見る影もなく傷み切ってしまった。かなり辛い仕事であったが、原動力となったものは偏えに先師の魂との再会の感動であった。」

目次

第1歌集「杉原」
第2歌集「赤土」
第3歌集「海日」
第4歌集「高清水」
第5歌集「鉄線花」
山口茂吉日記について
山口茂吉年譜
後記

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