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精神医学重要文献シリーズHeritage

老いの心と臨床

著者
竹中星郎

「老人医療の現場で痛感したことは、精神医学が老いに対して不毛ということだった。むろん老いはギリシア・ローマの時代から哲学者や医師たちの関心事だったが、誰もが80歳、90歳を生きられるようになったとき、それまでの議論に収まらない現実があった」

老年期は、喪失体験や孤独、現前化する死のなかで、社会的役割や生活環境の変化への適応を余儀なくされる。老年者の精神的問題は、それら老年期に特有の心理的特性をふまえて、はじめて問題の所在が明らかになる。
1983年に刊行された本書は、抑うつ、せん妄、痴呆など、老年期によくみられる精神症状とその治療を、付随する身体症状もふまえわかりやすく解説したものである。家族や他職種との連携から治療の細部にいたるまで、刊行から四半世紀を経た今も、本書の指摘はいささかも色あせていない。
患者から老いについて学び、患者を敬いながら、いかに心理的援助をつづけていくか。本書で繰り返される老年期臨床の基本は、常に「〈老いを生きる〉とはどういうことか」を知ることからはじまる。


目次


第一章 老年医学の特性
1 多疾病性について
2 多元性について
3 多症候性について
第二章 老年者を診療するときに留意すること
1 年長者への敬い
2 個としての存在を認める態度
3 生活史の把握
4 老年者の心理的特性の知識
5 身体的診察と一般的医学知識の重要性
6 “急ぐこと”の戒め
7 知的機能を軽々しくテストしない
8 往診の勧め
第三章 老年期の心理的特性
1 老年期の喪失体験
2 老年期の孤独と孤立
3 老年期の適応
4 老年期の精神的力動
第四章 老年期の精神症状の特異性
1 うつ状態、心気状態
2 妄 想
3 幻覚、妄覚
4 せん妄(急性錯乱)
5 精神症状のまとめ
第五章 老年者の痴呆
1 中核症状
2 辺縁症状
3 まとめ
第六章 治療――精神的側面への援助
1 治療の基本的な態度
2 入院の基準
3 死についての問題――死を看とることについて
4 精神療法
5 家族への治療的かかわり
6 病院における治療体制について
7 薬物療法
解 説


著訳者略歴

竹中星郎
たけなか・ほしろう

1941年生まれ。精神科医。都立松沢病院、信州大学精神医学教室、浴風会病院副院長、大正大学教授、放送大学客員教授を経て、現在フリー。専門は老年精神医学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

佐藤幹夫(フリージャーナリスト)
<東京新聞 2010年6月27日(日)>
和田秀樹<編集会議(別冊) 2010年11月号>

関連リンク

この本の関連書


「老いの心と臨床」の画像:

老いの心と臨床

「老いの心と臨床」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/144頁
定価 3,456円(本体3,200円)
ISBN 978-4-622-08235-4 C1311
2010年2月24日発行

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