みすず書房

罪と罰の彼岸【新版】

打ち負かされた者の克服の試み

JENSEITS VON SCHULD UND SUHNE

判型 四六判 タテ188mm×ヨコ128mm
頁数 224頁
定価 4,070円 (本体:3,700円)
ISBN 978-4-622-08519-5
Cコード C1010
発行日 2016年10月 7日
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罪と罰の彼岸【新版】

ジャン・アメリーは1912年ユダヤ人の両親のもとウィーンで生まれた。1940年敵性外国人として逮捕され南仏の収容所へ。脱走、フランス縦断を経てブリュッセルでレジスタンスに参加。1943年再逮捕。拷問と独房、アウシュヴィッツ、ブーヘンヴァルト、ベルゲン=ベルゼン強制収容所を生き延びた人物である。解放後は文筆で身を立てながら長くホロコーストに触れることはなかったが、再び台頭する排外主義への危機感から本書を著した。「社会」が人間の尊厳を奪うとはどのようなことか。人は何によって人間であるのか。自らの体験を遡り、手探りするように綴られた省察の記録。

「なにはともあれ自分は一つの仕事をやりとげたように思うのだが、ともに人間でありたい人すべてのところに届いてくれることを願わないではいられない」(1966年)

目次

初版(1966年)はしがき
新版(1977年)はしがき

精神の限界
拷問
人はいくつ故里を必要とするのか
ルサンチマン
ユダヤ人であることの強制、
 ならびにその不可能性について

ジャン・アメリー年譜
解説
訳者あとがき

書評情報

川本三郎
SAPIO「見たり読んだり」2017年7月

関連リンク

『みすず』2016年10月号に池内紀エッセイ「二人のハンス」

「「新版」とあるのは旧版があるからで、同じ訳者により、法政大学出版局から1984年に出た。訳文に少し手が入り、構成に少々の変更を受け、32年ぶりに甦る。訳者として感慨深いものがある。
名前はフランス人だが、ジャン・アメリーはフランスの作家、批評家ではない。ペンネームであって、本名はハンス・マイアーといい、ドイツ語で書いた。だが、このハンス・マイアーは戦後ドイツ文学で知られた学者・批評家ハンス・マイアーではない。二人はまったくの別人である。
私はまず「フランス人の映画批評家ジャン・アメリー」を知った。たしか1970年代半ばである。(…)」(池内紀「二人のハンス」『みすず』2016年10月号)