みすず書房

テクノロジーは貧困を救わない 電子書籍あり

GEEK HERESY

判型 四六判
頁数 400頁
定価 3,850円 (本体:3,500円)
ISBN 978-4-622-08554-6
Cコード C0033
発行日 2016年11月22日
電子書籍配信開始日 2016年11月22日
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テクノロジーは貧困を救わない

マイクロソフト・リサーチ・インドでの実践が生んだ、
新たな解は《人そのもののアップグレード》だった。

著者の研究は万能な解決策などないことを思い知らせてくれる。
最貧困層の生活を向上させるテクノロジーは、
人間の行動特性と文化的相違への深い理解に基づいたもの
でなくてはならないのだ。
——ビル・ゲイツ

いまだITスキルに大きな格差があるインド。学校では上位カーストの生徒がマウスとキーボードを占領している。
「これこそまさに、イノベーションにうってつけのチャンスだ。1台のパソコンに複数のマウスをつないだらどうだろう?…そしてすぐに〈マルチポイント〉と名付けた試作品と、専用の教育ソフトまで作ってしまった」。
しかしその結果は…
「ただでさえ生徒を勉強に集中させるのに苦労していた教師たちにとって、パソコンは支援どころか邪魔物以外のなんでもなかった。…テクノロジーは、すぐれた教師や優秀な学長の不在を補うことは決してできなかったのだ」。
こうして、技術オタクを自任する著者の、数々の試みは失敗する。その試行錯誤から見えてきたのは、人間開発の重要性だった。
人に焦点を当てた、ガーナのリベラルアーツ教育機関「アシェシ大学」、インド農民に動画教育をおこなう「デジタル・グリーン」、低カーストの人々のための全寮制学校「シャンティ・バヴァン」などを紹介しながら、社会を前進させるのは、テクノロジーではなく、人間の知恵であることを語りつくす。

書評情報

中村桂子
毎日新聞2017年1月8日(日)
湯浅誠(社会活動家)
信濃毎日新聞2017年1月22日
湯浅誠
山陰新聞2017年2月5日(日)
丸川知雄(東京大学教授)
日本経済新聞2017年2月5日(日)
サライ
2017年2月10日号
湯浅誠(社会活動家)
新潟日報2017年2月5日