Haruki Murakamiを読んでいるときに我々が読んでいる者たち 電子書籍あり

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 384頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-08700-7 |
Cコード | C0095 |
発行日 | 2018年9月10日 |
電子書籍配信開始日 | 2018年10月5日 |

判型 | 四六判 |
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頁数 | 384頁 |
定価 | 3,520円 (本体:3,200円) |
ISBN | 978-4-622-08700-7 |
Cコード | C0095 |
発行日 | 2018年9月10日 |
電子書籍配信開始日 | 2018年10月5日 |
村上春樹は、いまや世界で最も広く読まれている日本人小説家である。その世界的な人気の背景には、英語圏——とりわけアメリカ——での成功がある。日本文学の英訳の多くが政府や文化機関の支援を受け、限られた読者(主に日本研究者など)を対象に刊行されてきたなか、村上作品はアメリカの文芸出版の権威であるクノップフや『ニューヨーカー』などの出版社・雑誌から世に送り出され、大勢の読者を獲得し、多くの同時代作家に影響を与えている。
この英語圏での活躍の裏には、それぞれの人生のポイントで村上作品と出会い、惹き込まれ、その紹介に情熱を注いだ翻訳家、編集者、エージェント、研究者、書評家、書店員といった、出版界のスペシャリストたちがいた。翻訳家アルフレッド・バーンバウム、ジェイ・ルービン、編集者エルマー・ルーク、リンダ・アッシャー、ゲイリー・フィスケットジョン、クリストファー・マクレホーズ、装丁家チップ・キッド……。
『ねじまき鳥クロニクル』での世界へのブレイクスルーまでの道のりを後押しした、個性あふれる30余名の人々との対話、そして村上本人へのインタビューをもとに、世界的作家Haruki Murakamiが生まれるまでのストーリーを追う。
バーンバウム、村上春樹を発見する 1984-1988
1 ボヘミアンな翻訳家(?)ができるまで
2 文学と美術のはざまで──大学で文学を学ぶ?
3 生活のために「翻訳家」になる
4 すべては原稿の持ちこみから
5 英語学習者向けのシリーズからの刊行
6 きままな翻訳家?
7 他の活動の傍らで翻訳を続ける
村上春樹、アメリカへ──Haruki Murakamiの英語圏進出を支えた名コンビ 1989-1990
8 エンジンをスタートさせた編集者、エルマー・ルーク
9 ニューヨーク出版界での悪戦苦闘
10 日本行きの切符
11 ルーク、ムラカミと出会う
12 『羊』をアメリカへ
13 同時代的でよりアメリカ的な『羊』作り
14 NYと連携し、広報戦略を立てる
15 前代未聞の広報費
16 人のつながりを辿って
17 注目度を上げるためのペーパーバック権オークション
18 ニューヨークでの著者プロモーション
19 日本からの「新しい声」を歓迎するアメリカの評者たち
20 アメリカから世界へ
21 『ニューヨーカー』掲載作家になる
22 「ねじまき鳥」と担当編集の女性たち
新たな拠点、新たなチャレンジ 1991-1992
23 プリンストンを新拠点に
24 さらに工夫を加えた英語圏デビュー二作目
25 「ハードボイルド・ワンダーランド」と「世界の終り」の共同「ヴォイス」作り
26 ギリギリのスケジュールで進む編集作業
27 ピンクの女の子らの消滅
28 タイトルを巡る議論再び
29 英国も含めた著者プロモーション
オールアメリカンな体制作りへ 1992-1994
29 新たな出版社を求めて
30 小説家にとって最高の出版社「アルフレッド・クノップフ」
31 エージェントを「選択」する
32 カーヴァー・ギャングに正式に加わる
33 クノップフでの新たな編集者との出会い
34 英語圏で初の短編集を編む
35 個人的な取捨選択?
36 チップ・キッドによる初の村上ジャケット
37 「冬の時代」に支えとなった書評と仲間たち
38 クノップフラーになることの意味
39 村上春樹、「ニューヨーカー作家」になる
40 『ねじまき鳥』の訳者探し
41 バーンバウム&ルーク・コンビのラストダンス
42 バトンタッチと名コンビのその後
『ねじまき鳥』、世界へ羽ばたく 1993-1998
43 厳格な訳者(?)、ジェイ・ルービン
44 村上作品との出会い
45 短編から翻訳する
46 ケンブリッジ・コネクション
47 The Wind-up Bird Chronicle 刊行に向けての長いワインドアップ
48 短縮された『ねじまき鳥』
49 「世界で最も有名な日本人作家へと変貌させた」作品
50 イギリスでの飛躍を支えた新たな出版社