心理療法の実践

1875年、スイス北部のケスヴィルにて生まれる。バーゼル大学卒業後、ブルクヘルツリ病院のブロイラーのもとで言語連想実験の研究に従事。その後、フロイトの精神分析運動に参加し、フロイトの後継者と目されるほど、その中心人物として精力的に活動した。1913年にフロイトと決別。その後は独自の心理学の構築に専心し、「コンプレクス」「元型」「集合的無意識」「無意識の補償機能」「内向／外向」「個性化」などの独創的な理論を提唱していった。1961年死去。20世紀最大の心理学者の一人。著作はドイツ語ではヴァルター社から、英語ではプリンストン大学出版から、それぞれ全集が刊行されている。邦訳は以下の通り（一部）。『ユング自伝』『分析心理学』『タイプ論』『ヨブへの答え』『心理療法論』『個性化とマンダラ』『パラケルスス論』『連想実験』『転移の心理学』『ユング 夢分析論』（以上みすず書房）『無意識の心理』『自我と無意識の関係』『心理学と宗教』『アイオーン』『子どもの夢』『診断学的連想研究』『結合の神秘』『夢分析』（以上人文書院）『変容の象徴』（筑摩書房）『分裂病の心理』（青土社）『元型論』（紀伊國屋書店）。

1945年、石川県に生まれる。精神科医、臨床心理士。1970年京都大学医学部卒業。1984-5年、1988-9年、二度に分けてチューリッヒのユング研究所に留学、ユング派分析家の資格を取得。甲南大学名誉教授（在職は1995-2011年）。日本ユング派分析家協会会長（2001年-）。著書『神話のなかの女たち』（人文書院）『心理療法とこころの深層』（新曜社）『心理臨床の治療関係』（共著 金子書房）『心理療法』（編著 新曜社）『心理療法と超越性』（編著 人文書院）『物語の語るこころ』（創元社）。訳書　サールズ『逆転移 分裂病精神療法論集3』ユング『ユング 夢分析論』（以上みすず書房）ローゼン『うつ病を生き抜くために』（人文書院）。

1980年、東京都に生まれる。臨床心理士。2002年慶應義塾大学文学部卒。2009年甲南大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、ISAP（チューリッヒ）在学。訳書　ランク『出生外傷』メツル／カークランド編『不健康は悪なのか』ユング『ユング 夢分析論』（いずれも共訳 みすず書房）フェレンツィ『精神分析への最後の貢献』（共訳 岩崎学術出版社）。