みすず書房

敗北者たち 電子書籍あり

第一次世界大戦はなぜ終わり損ねたのか 1917-1923

THE VANQUISHED

判型 四六判
頁数 568頁
定価 5,720円 (本体:5,200円)
ISBN 978-4-622-08761-8
Cコード C0022
発行日 2019年2月18日
電子書籍配信開始日 2019年3月11日
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敗北者たち

第一次世界大戦はいつ終わったのか? 1918年11月だ。だが、戦争の敗者にとって、それはまさに暴力の始まりだった。
ハプスブルク帝国、オスマン帝国、ドイツ帝国、ロシア帝国の崩壊、革命と反革命、再編された国家間の紛争、それに重なる内戦。400万を超える人々が武力紛争で死亡し、中欧・東欧・南欧の難民が荒野をさまよい歩いた。「戦後」ヨーロッパは、地球上で最も暴力的な場所になった。
第一次世界大戦とは専制主義に対する民主主義の勝利であり、崩壊した帝国は時代錯誤な「民族の牢獄」であったという従来の見方は、この事態を見過ごしてきた。だが、1917年から1923年のヨーロッパは、第二次世界大戦、そして20世紀を席捲した暴力を理解する上で決定的な意味を持つ。
確かな実証性と明快な論理で無数の紛争を一冊に纏め上げ、新たな歴史像を見せてくれる本書は、第二次世界大戦におけるナショナリストとファシストの台頭を解き明かし、第一次世界大戦の本当の意味を問い直すものとして、世界的評価を得た。

目次

プロローグ
第一部 敗北
第一章 春の列車旅行
第二章 ロシア革命
第三章 ブレスト=リトフスク
第四章 勝利の味
第五章 運勢の反転

第二部 革命と反革命
第六章 戦争は終わらない
第七章 ロシアの内戦
第八章 民主主義の見せかけの勝利
第九章 急進化
第十章 ボリシェヴィズムの恐怖とファシズムの勃興

第三部 帝国の崩壊
第十一章 パンドラの箱——パリと帝国問題
第十二章 中東欧の再編
第十三章 敗れたる者に災いあれ
第十四章 フィウーメ
第十五章 スミルナからローザンヌへ
エピローグ——「戦後」と二〇世紀半ばのヨーロッパの危機

謝辞
訳者解題
写真出典
原註
参考文献
事項索引
人名索引