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マツタケ

不確定な時代を生きる術

THE MUSHROOM AT THE END OF THE WORLD

On the Possibility of Life in Capitalist Ruins

著者
アナ・チン
訳者
赤嶺淳

「本書は、20世紀的な安定についての見通しのもとに近代化と進歩を語ろうとする夢を批判するものではない。…そうではなく、拠りどころを持たずに生きるという想像力に富んだ挑戦に取りくんでみたい。…もし、わたしたちがそうした菌としてのマツタケの魅力に心を開くならば、マツタケはわたしたちの好奇心をくすぐってくれるはずだ。その好奇心とは、不安定な時代を、ともに生き残ろうとするとき、最初に必要とされるものである」

マツタケをアクターとして、人間と人間以外のものの関係性、種間の絡まりあいをつぶさに論じ、数々の賞に輝いたマルチスピーシーズ民族誌の成果を、ここにおくる。
日本(京都・中部地方)・アメリカ(オレゴン州)・中国(雲南地方)などの共同研究者とのフィールドワークを通して、マツタケの発生から採取、売買・貿易、日本人の食に供されるまでの過程に、著者は多くを観察し、学んでゆく。森林伐採、景観破壊、戦争による東南アジア難民、里山再生、コモディティ・チェーンとサルベージを通じた蓄積など、資本主義がもたらした瓦解からいかに非資本主義的様式が生まれ、両者が絡みあいながら、人間と人間以外のものが種を超えて共生しつつ世界を制作しているのか。コモンズの可能性や学問研究のあり方までを射程に入れ、人間中心主義を相対化した、鮮やかな人類学の書であり、今後の人文・社会科学のひとつの方向性をしるす書である。
「進歩という概念にかわって目を向けるべきは、マツタケ狩りではなかろうか」。


目次


  絡まりあう
  プロローグ 秋の香

第一部 残されたもの

1 気づく術
2 染めあう
3 スケールにまつわる諸問題

  幕間 かおり

第二部 進歩にかわって――サルベージ・アキュミュレーション

4 周縁を活かす

  フリーダム……

5 オレゴン州オープンチケット村
6 戦争譚
7 国家におこったこと――ふたとおりのアジア系アメリカ人

  移ろいゆきながら……

8 ドルと円のはざま
9 贈り物・商品・贈り物
10 サルベージ・リズム――攪乱下のビジネス

  幕間 たどる

第三部 攪乱――意図しえぬ設計

11 森のいぶき

  マツのなかからあらわれる……

12 歴史
13 蘇生
14 セレンディピティ
15 残骸

  ギャップとパッチで……

16 科学と翻訳
17 飛びまわる胞子

  幕間 ダンス

第四部 事態のまっただなかで

18 まつたけ十字軍――マツタケの応答を待ちながら
19 みんなのもの
20 結末に抗って――旅すがらに出会った人びと

  胞子のゆくえ――マツタケのさらなる冒険

  マツタケにきく――訳者あとがき
  本書で引用された文献の日本語版と日本語文献
  索引


著訳者略歴

アナ・チン
Anna Lowenhaupt Tsing

カリフォルニア大学サンタクルス校文化人類学科教授。エール大学を卒業後、スタンフォード大学で文化人類学の博士号を取得。フェミニズム研究と環境人類学を先導する世界的権威。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
赤嶺淳
あかみね・じゅん

一橋大学大学院社会学研究科教授。専門は東南アジア地域研究・食生活誌学。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

お詫びと訂正

2019年9月17日発行の第1刷において、385ページに掲載すべき注1・2・3が抜けていました。 読者の皆さまにお詫び申し上げるとともに、該当の注を以下に掲載いたします。 (2019年10月)
1 ブラウンは1994年にジェファーソン教育研究センターを設立した。 ...続きを読む »

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「マツタケ」の画像:

マツタケ

「マツタケ」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/488頁
定価 4,950円(本体4,500円)
ISBN 978-4-622-08831-8 C0010
2019年9月17日発行

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