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ゲーデルの悪霊たち

論理学と狂気

LES DEMONS DE GODEL

Logique et folie


「不完全性定理」を発表し、アリストテレス以来最も偉大な論理学者といわれるクルト・ゲーデル(1906-78)とは、いったい何者か。本書は、ゲーデルが公にすることのなかった多くの考察が含まれる「ゲーデル文書」(プリンストン大学図書館に遺贈された大量の草稿類)に長年取り組んできた著者の成果である。草稿や書簡の下書きだけでなく、断片的メモ、走り書き、図書カード、ホテルの請求書に至るまで、ゲーデル自身がその痕跡を残したものを、著者はゲーデルの人的交流、発表された論文、書簡などと照合することによって、ゲーデルの(ゲーデルがその中で生きた)世界を浮き彫りにしていく。
実生活上でのゲーデルの奇異な振る舞いや妄想癖のようなもの(著者はそれを《狂気》と呼ぶ)は、彼の論理学とどう関係しているのか。ゲーデル自身の不完全性定理への理解、数学的プラトニズム(実在論)、数学的対象を知覚するという脳内の器官の主張、時間旅行を可能にする相対性理論の解釈、神の存在証明についてのその言動を、われわれはどう考えればよいか。ゲーデルのいう「時代精神」とは? ライプニッツやデカルト、さらには同時代の論理学者エミール・ポストやアラン・テューリングの思考のあり方とも絡み合わせつつ、著者は数々の疑問や謎を紐解いていく。
ときにフィクションを織り込みながら、20世紀という時代と思想を生きた一人の天才の真実に迫った、類のない書である。


目次


凡例
略語

プロローグ

第一部 ゲーデルの《狂気》
1 《狂気》の論理学者
2 ゲーデル文書
3 源泉
4 生涯と真理
5 ゲーデルと女性たち
6 《狂信的に合理的であること》
7 モナドロジーと過剰感覚
8 精神の世界
9 偶然に委ねられているものは何一つない
10 いかなる世界の中に我々は生きているのか
11 ゲーデルは《狂気》の人なのか、それともたんにライプニッツ信奉者であるだけなのか
12 断片
13 空想的なもの、ないし神秘的なもの

第二部 非物質的対象の実在性
1 松果眼
2 プラトニズム
3 さまざまな種類の対象
4 数学者とワトソン博士
5 ゲーデルの議論
6 デカルトと精神分析家
7 ボルヘス、夢およびフィクションの実在性
8 夢としての数学
9 思考の眼に戻る
10 種々の思索
11 突然の天啓

第三部 不完全性
1 不完全性と催眠
2 ウィーンのカフェ
3 言明
4 テューリングの機械
5 ディレンマ
6 イメージをめぐる問い
7 合理主義的楽観論
8 数学の発展
9 パラドクスと精神の反省性
10 論理学者は人間なのか
11 精神と脳
12 死後の生
13 不完全性、悪そして悪魔
14 機械の世界の狂人

第四部 ポストの事例――短い余論
1 もう一人の《狂気》の論理学者
2 星
3 文書そして出会い
4 ポストの夢
5 労働者と機械
6 精神のイメージ

第五部 形而上学の基本原理
1 論理学者たちの《狂気》
2 ゲーデルのいだく怖れ――小さな物体と分身
3 論理学の罪
4 ホテルの部屋
5 なぜライプニッツなのか
6 運命の宮殿
7 予定調和
8 最善の世界
9 モナドロジーと時間
10 物体の不動性
11 ではなぜ時間なのか
12 神の永遠性と天使の時間
13 数ある中の我々の時間
14 時間旅行のパラドクス
15 時間旅行の別の困難
16 旅行者たち
17 エピローグ――少なくとも一人の亡霊

謝辞
あとがき
訳者あとがき
図版リスト


著訳者略歴

ピエール・カスー=ノゲス
Pierre Cassou-Nogues

1971年生まれ。パリ第8大学哲学教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
新谷昌宏
しんたに・まさひろ

1951年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。東京都立広尾病院部長、東京都立松沢病院副院長などを歴任。神経医学・精神病理学専攻。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

この本の関連書


「ゲーデルの悪霊たち」の画像:

ゲーデルの悪霊たち

「ゲーデルの悪霊たち」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/456頁
定価 6,050円(本体5,500円)
ISBN 978-4-622-08916-2 C1010
2020年7月16日発行

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