自殺の思想史
抗って生きるために
STAY
A History of Suicide and the Arguments Against It

判型 | 四六判 |
---|---|
頁数 | 296頁 |
定価 | 4,950円 (本体:4,500円) |
ISBN | 978-4-622-09069-4 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2022年10月11日 |

STAY
A History of Suicide and the Arguments Against It
判型 | 四六判 |
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頁数 | 296頁 |
定価 | 4,950円 (本体:4,500円) |
ISBN | 978-4-622-09069-4 |
Cコード | C1010 |
発行日 | 2022年10月11日 |
自殺をしてはいけない。この言葉は、どのように根拠づけられるのだろうか?
この問いへの答えを求めて、古代ローマの歴史的資料や古代ギリシャの哲学者たちの思索をはじめ、戯曲や芸術、キリスト教やイスラム教といった宗教思想、宗教から距離を置いた哲学、社会学的な取り扱いまでをも含んだ広い視野で「自殺」がどう考えられてきたのかをまとめ上げる。
古くは宗教的な罪とされていた自殺は、精神医学の発展に伴って倫理的に中立なものになり、現代では選択肢や権利として肯定する立場さえある。このような思想の変遷の中にも、自殺を肯定しない考え方が確かに生き残ってきた。
誰もが納得する答えを出すことがむずかしい問いである。それでも、生きることをやめないでほしい、という切実な思いに向き合い、生きることをやめるべきではない理由とその論理をたどることが、この生に踏みとどまる助けになりうるし、切実な悩みに応えるためのヒントになりうるだろう。
「生き続けるべきだという主張と証拠について考え、それを選ぶことがはじめの一歩になる。そのあとはどんなことも起こりうる。まず、生き続けることを選んでほしい」(本文より)
まえがき
謝辞
はじめに
第一章 古代の世界――聖書、ギリシャ、ローマ
第二章 宗教は自殺を認めない――キリスト教、イスラム教、ユダヤ教
第三章 生きるべきか死ぬべきか――モダニズムの新興における新たな疑問
第四章 非宗教的な哲学による自殺の擁護
第五章 共同体の議論――古代ギリシャから現代まで
第六章 コミュニティと影響に関する現代の社会科学
第七章 未来の自分に対する希望
第八章 自殺について考察した二〇世紀のふたりの人物――デュルケームとカミュ
第九章 苦しみと幸せ
第十章 現代の哲学的対話――シオラン、フーコー、サズ
おわりに
原注
索引
編集者からひとこと