みすず書房

黄金虫変奏曲

THE GOLD BUG VARIATIONS

判型 四六判
頁数 872頁
定価 5,720円 (本体:5,200円)
ISBN 978-4-622-09078-6
Cコード C0097
発行日 2022年4月8日
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黄金虫変奏曲

たった四つの文字から「畏るべき豊穣」を生む遺伝情報と、バッハのゴルトベルク変奏曲。その二つの構造の不思議なまでの符合を鋳型にして、精巧なロマンスとサスペンスが紡ぎ出される。
1957年、遺伝暗号の解読を目指す若き生化学者スチュアート・レスラーに、一人の女性がゴルトベルク変奏曲のレコードを手渡す。25年後、公立図書館の司書ジャン・オデイは、魅力的な青年フランク・トッドから、奇妙なリサーチの依頼を受ける。夜ごとゴルトベルクを聴きながら凡庸なコンピュータ・アルゴリズムのお守りをしている、恐ろしく知的で孤独な同僚の正体を調べたい、と。長い時を隔てて存在する二組の恋愛が、互いを反復し、変奏しながら二重螺旋のように絡み合う。なぜレスラーは20世紀生物学の最大の発見に肉薄しながら、突如歴史から消えたのか? その謎が解かれていくとともに、芸術、言語、音楽、愛、そして生命の継承の意味までを巻き込んだ語りが縦横に拡がってゆく。
34歳の若きパワーズが持てるすべてを注ぎ込み、小説の四隅を押し広げようとした長編第3作にして、全著作のなかでも屈指のマスターピース。Time誌ブック・オブ・ザ・イヤー(1991)、Publishers Weekly誌ベスト・ブックス(1991)などに選出、全米批評家協会賞(1991)最終候補作。

「数学的なまでに精密でエレガントな本作の構造は、それこそ地球をまるごとその中に収めようとしているかに思える。
これくらい野心的な小説があるだろうか?」
──「訳者あとがき」より

書評情報

永江朗
(ライター)
「暗号解読とバッハの曲 絡み合う二つの物語」
毎日新聞 2022年6月25日
河野聡子
(詩人)
「知的興奮に満ちた恋物語」
西日本新聞 2022年8月13日
Dain
「再読すれば再読するほど夢中になるリチャード・パワーズ『黄金虫変奏曲』」
ブログ:わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる 2022年9月17日