みすず書房

アンネ・フランクはひとりじゃなかった

アムステルダムの小さな広場 1933-1945

ANNE FRANK WAS NIET ALLEEN

Het Merwedeplein, 1933-1945

判型 四六判
頁数 416頁
定価 4,620円 (本体:4,200円)
ISBN 978-4-622-09090-8
Cコード C0022
発行日 2022年6月16日
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アンネ・フランクはひとりじゃなかった

ヒトラーが政権を掌握した1933年、アンネの母親エーディトは、母国ドイツからアムステルダムに家探しにやってきた。物語はここから始まる。
ドイツは1940年にオランダを占領、そしてフランク一家が隠れ家に消えるのはその2年後だ。しかし潜伏までの約8年間、アンネは家の前のメルウェーデ広場を親友たちと「少女ギャング」よろしく闊歩し、小さな子供たちの世話をやき、隣人たちと豊かな時間を過ごしていた。
一方、アンネの親友たちとその家族はどうなったか。外国に脱出する一家もあったが、大半は拘束され、収容所に送られた。
著者は、この広場でかつてくり広げられたユダヤ人住民の日常、祭り、迫害、密告、抵抗の一部始終を、元住民へのインタビューや史料の渉猟から再現する。大きな歴史を反映した、小さなコミュニティの物語だ。

目次

地図 アムステルダム・メルウェーデ広場とその周辺
地図 メルウェーデ広場の番地と本書に登場する住民一覧

1933 最初のドイツ系ユダヤ人住民
1934 新しい生活
1935 明暗こもごも
1936 新たな隣人たち
1937 休息のオアシス
1938 募りゆく不安
1939 迫りくる戦争
1940 開戦の年
1941 一斉検挙のはじまり
1942 東方への移送
1943 ユダヤ人住民狩り
1944 不安、飢餓、極寒
1945 「解放」

あとがき
この本の成り立ちについて
謝辞

訳者あとがき
原注
参考文献・写真出典
人名索引

書評情報

石岡史子
(NPO法人ホロコースト教育資料センター代表)
「ユダヤ人迫害 重層的な記憶」
日本経済新聞 2022年7月30日
松村由利子
(歌人)
「絶望と連帯、広場から見た戦争」
西日本新聞 2022年8月27日

関連リンク

広場の少女アンネ・フランク

「訳者あとがき」より