みすず書房

「“成りつつあるもの”としてジャンケレヴィッチを読まなければならない」(フランソワーズ・シュヴァブ)
1985年の哲学者の死の1年前、シュヴァブの協力を得て、みずからの意図を反映させて編まれた本書は、1冊の書物としてはじめて世に送られた論集。
1950年に書かれた「トルストイと直接的なもの」にはじまり、イスラエルへの最初で最後の旅の直後に書かれた「ユダヤ性、内的問題」などの論文、自身の体験とその哲学の主要概念を駆使して展開されるフランス語圏ユダヤ知識人会議での一連の発言、20世紀フランスの3人の哲学者の思い出……
ジャンケレヴィッチの哲学を形づくった、性質を異にする複数の水脈が湧きいづるところ――全12篇。

目次

トルストイとラフマニノフ
トルストイと直接的なもの
トルストイと死
ラフマニノフ、最後の霊感詩

似ている、似ていない(ユダヤ意識)
ユダヤ性、内的問題
ユダヤ意識と矛盾
希望と時々の終わり
似ている、似ていない
他の諸国家と同様の一国家なのか?
遠くて近き者……女

思い出三篇
グザヴィエ・レオン
レオン・ブランシュヴィック
ジャン・ヴァールにおける神秘と弁証法

著述目録
索引