みすず書房
近刊

格差の国の経済学

経済学者は世界をどう破壊し、もとに戻すために、毎日何をしているのか

ECONOMICS IN AMERICA

An Immigrant Economist Explores the Land of Inequality

判型 四六判
頁数 288頁
定価 3,740円 (本体:3,400円)
ISBN 978-4-622-09840-9
Cコード C0033
発行予定日 2026年3月16日予定
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格差の国の経済学

「経済学について、経済学者の仕事について、もっと知りたいけど、無味乾燥な教科書はぜったい読みたくないなら、論争的で刺激的な本書を読むべきだ」
ピーター・シンガー(プリンストン大学教授)

「主流派経済学が、この不平等と強欲にまみれた〈砂上の楼閣〉にどの程度加担してきたのか――その問題に正面から向き合っている。力強い懺悔の書であり、経済学を再び人間科学に戻す画期となる書だ」
ポール・コリアー(オックスフォード大学教授)

「私は数字を扱う経済学者だ…データが政治にどんな影響を与え、政治がデータにどんな影響を与えるのかについても重視する。私はそれを数字の政治学と考えている」
「あらゆる種類の人間が徴兵制によって一緒に戦った時に培った、自分とは違う人たちとの社会的つながりも彼らに対する敬意も、私たちは失ってしまった…私たちは、ともに暮らし、税金を支払い、働き、任務を果たして私たちの生活を支えてくれる、もっと幅広い人たちとの深いつながりを取り戻す必要がある」
「経済学者は、人間の幸福の尺度として、金銭だけに固執することをやめなければならない」(本文より)。
ノーベル賞受賞者がユーモアあふれる筆致で綴る、経済学の過去と未来。

目次

序文

第1章 始まり──ファストフード店、ギャング、最低賃金
移民から見た最初の印象
ファストフード店の経済学と政治学
25年ぶりの最低賃金引き上げ

第2章 アメリカの医療をめぐる冒険
医療はなぜそれほど大きな問題なのか
人工股関節手術のよい消費者を目指して
フックを効かせる
逆選択、義務化、ブロッコリー
「権力の座にある狂人たち」
犯罪、処罰、タバコ

第3章 アメリカの貧困と国外の貧困
ロビンフッドについて再考する
援助と開発をめぐる経済学者と政策立案者
弱い国家、貧しい国家、援助が孕む問題
アメリカの貧困は、どのようにしてフェイクニュースになったのか

第4章 数字の政治──物価を修正する?
保守派の補正
物価と土地

第5章 金銭的な不平等
シカゴの不平等、ケンブリッジの不平等
再び不平等に目覚めたアメリカ
不平等はいかにして機能するのか、それをどのように手なずけるのか

第6章 お金以外の不平等
アメリカの移民
健康、医療、隔離政策、人種
世代間の不平等
能力主義と不平等

第7章 リタイア、年金、株式市場
イントロダクション──年金と不平等
スターウォーズとリンクリー
年金事務所にて
年金と株式市場
太陽と月──世界金融危機を乗り越えて
政府を動かし、揺さぶる者たち──ベビーブーマーがトイレで書いた手紙
年金と社会保障にともに取り組む経済学者たち

第8章 働く経済学者
アメリカ経済学会と英国王立経済学会
会 議
学術誌──どのような役割を持ち、どんなことをするのか
医療に取り組む経済学、経済学に取り組む医療
エンロン、大学、経済学者
敬愛する経済学者たち

第9章 ノーベル経済学賞と受賞者
ノーベル賞とノーベル経済学賞
ふたりの受賞者の物語──リチャード・ストーンとジェイムズ・ミード
ノーベル経済学賞を獲るということ

第10章 経済学者は経済を破壊したのか
もがく経済学者
絶望死
経済学者と絶望死

第11章 最後に──経済の失敗は経済学の失敗か

謝辞/索引/原注