みすず書房

■四六判2段組上製カバー装
■平均232ページ

「お誕生日がくると、おまえは贈りものをもらったり、お祝いのことばを受けたりするのがならわしだった。けれども、このナイニー刑務所から、わたしはなにを贈りものにしたものだろうか?」
J・ネルーは14歳の一人娘インディラに、世界歴史を語る200通の手紙を贈った――古代文明から第二次大戦直前の時代まで。戦後、インドの初代首相となったネルーは、1930年代にイギリスに対するインド解放闘争に参加し、何度も投獄されていた。生きたことばと感動と新鮮さにみちた名著が復活する。中学生からシルバーエイジまで、すべての読者に贈る。
第1巻 文明の誕生と起伏
第2巻 中世の世界
第3巻 ルネサンスから産業革命へ
第4巻 激動の十九世紀
第5巻 民主主義の前進
第6巻 第一次世界大戦と戦後
第7巻 中東・西アジアのめざめ
第8巻 新たな戦争の地鳴り

■大山聰訳
【訳者略歴】1915年東京に生まれる。1938年東京大学文学部卒業。早稲田大学、東京都立大学教授、成城大学文学部教授、および東京芸術大学、早稲田大学講師を歴任。訳書 ティボール・メンデ『ネールは主張する』ほか。2002年没。

J・ネルー(Jawaharlal Nehru)

1889-1964。インドの政治家、民族独立運動の指導者。英国の支配に抵抗、1945年までに下獄9回、人生の最盛期を獄中に過した。この間、ガンディの不服従非暴力運動にも協力した。1947年の独立とともに首相、外相および連邦関係相を兼ねた。49年連邦首相会議、55年バンドンのアジア・アフリカ会議と、内政に外交に多面的な活躍をした。その反帝国主義、反植民地主義、反人種差別主義には戦後世界をリードしていく歴史感覚と民衆への愛情があった。おもな著書 『自叙伝』(「世界の名著」63巻、中央公論社、1967)、『インドの発見』(全2巻、岩波書店、1953-6)ほか。