みすず書房

合評会 呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』

4月24日(土)16:00-18:00 オンライン開催

2021年4月6日

呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』の合評会が次のように開催されます(要視聴申込)。

「賤民(パーリア)」として主権国家体制の外側を生きること

呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』を読む

「台湾の悲劇の道徳的意義は、ひとつには主権国家体制における賤民階級の一員として、国際政治において牢固として打ち破ることのできない現実主義の真理と、賤民の境遇を無視するあらゆる理想主義の高言と道徳的教条の偽善を、他の排除されたすべての賤民の存在とともに見届けることにある。」

呉叡人『台湾、あるいは孤立無援の島の思想』(みすず書房、2021年)に収録された「賤民宣言」の一節です。ここでの「賤民(パーリア)」とは、ハンナ・アーレント『パーリアとしてのユダヤ人』の用法を踏まえながら、「パーリア民族」であることを自覚的に引き受け、またそのことを通じてすべての被抑圧者と連帯しながら自由のために闘おうとする存在を表しています。深い祈りを込めて受け渡される言葉のリレーの中で、台湾をめぐる状況がパレスチナ問題とどのようにオーバーラップするのか。そんな問いを糸口としながら、おふたりの書評者をお招きして侃々諤々の議論を繰り広げる機会としたいと思います。

[日時]
2021年4月24日(土)16:00-18:00(日本時間、延長の可能性あり)

[書評]
岡真理 京都大学人間・環境学研究科教授。専門は現代アラブ文学、パレスチナ問題、第三世界フェミニズム。著書に『アラブ、祈りとしての文学』(みすず書房、2015年新装版)、『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房、2018年)等。
森川輝一 京都大学法学研究科教授。専門はハンナ・アーレントを中心とした西洋政治思想史。著書に『〈始まり〉のアーレント――「出生」の思想の誕生』(岩波書店、2010年)、共編著に『講義 政治思想と文学』(ナカニシヤ出版、2017年)等。

[応答]
呉叡人 台湾中央研究院台湾史研究所副研究員。専門は比較政治、アジア・ナショナリズム研究、台湾政治史。共編著に『照破―太陽花運動的振幅縦深与視域』(左岸文化、2016年)等。

[コーディネーター]
駒込武(京都大学/教育学研究科教授)

[方式]
オンライン方式(YouTubeを使用予定)。使用言語は日本語。
参加希望者はGoogle Form(https://forms.gle/VmhSjifrnHVP6DGf8)からご登録ください。前日には視聴用URLをメールでお送りします。

[主催]
呉叡人プロジェクト実行委員会(https://www.facebook.com/wurweiren/
[共催]
早稲田大学台湾研究所(https://waseda-taiwan.com/
自由と平和のための京大有志の会(https://www.kyotounivfreedom.com/
科学研究費基盤(A)「トランスナショナル時代の人間と「祖国」の関係性をめぐる人文学的、領域横断的研究」(代表:岡真理)

お問い合わせは主催者へ。