
2014.09.25
渡邊一民『福永武彦とその時代』
宇野邦一解説
若島正・選
2014.09.16
『ボビー・フィッシャーを探して』の翻訳者であり、海外のミステリーやSFに造詣の深い英米文学者にして詰将棋・チェスプロブレム作家でもある若島正さんに、チェス・将棋・その他のボードゲームが絡む小説やノンフィクションのお勧め本を紹介していただきました。一冊一冊にコメントいただいています(色つきの囲み内)。
『ボビー・フィッシャーを探して』を読んで「こういうものがもっと読みたい!」という人のための読書案内です。
チェスの有名なエンドゲームを素材にした古典的探偵小説。
シオドア・スタージョンが代作したことでも有名。
ナポレオンとも指したと言われる偽自動機械の数奇な運命。
必ずしも初心者用入門書ではないが、こんな楽しい絵本がふえてほしい。
チェス小説の古典中の古典としてぜひ。
謎めいた最晩年にまで至る、フィッシャーの伝記の決定版。
世界が巨大なチェス盤で、人間たちがチェスの駒に見えてくる、チェス小説の最高峰。
さまざまなジャンルから選んだ、よりどりみどりのチェス小説アンソロジー。
チェスを指す偽自動機械の中に入っていた少年を描く、心やさしきファンタジー。
チェスに見立てた物語の展開が楽しめる。
時代小説の古典から。同じ作者による『妖棋伝』もおすすめ。
将棋で名人に勝つプログラムを開発し、我が子のように育てあげようとする、プログラマーたちの群像。
羽生将棋を思考の対象に据えた、哲学書と言ってもいい評論。
賭け将棋に生きた小池重明の壮絶な生きざま。
川端自身の観戦体験をもとにして書かれた、古典的な囲碁小説。
ボードゲームの未来が小説の未来と出会う作品集。
満州を舞台にして、日中の出会いが囲碁の対局になぞらえて描かれる。
派手な超人冒険小説ながら、作者の囲碁に関する知識にも驚かされる。
日本が誇るピカレスク小説の最高傑作。
世界のあちこちで囲碁ブーム、日本文化ブームを巻き起こしたシリーズ。
(以下は品切または絶版)
ナボコフが作ったチェス・プロブレムを道具立てにしたSFミステリー。
チェスにまつわる逸話集としては最高のおもしろさ。
ベケットにしか書けない、狂ったチェスの棋譜と、その狂った解説!
世界チャンピオン戦で惜しくも破れたチェスプレーヤーをモデルにした、静かな小説。
人間チェスと通信チェスを利用したホロコースト小説。
レトロと呼ばれるチェス・プロブレムの問題を、ホームズ物の体裁に仕立てた小さな名著。
詰将棋を題材にしたミステリー。作者の自作詰将棋まで載っていることに驚く。
名作短篇「千日手」を収録。中国象棋を題材にした「シャンチーの宵」が入っている作品集『幽』もぜひ。
山口瞳がプロ棋士たちに駒落ちで挑んだ自戦記。痛快無類のおもしろさ。
詰将棋マニアのおかしなおかしな世界を描くノンフィクション。
チェスの神童ジョッシュとその父親が、伝説的棋士フィッシャーへの憧憬を胸に歩んだ全米ジュニア・チャンピオンへの道のり。ハリウッドで映画化もされた珠玉作、フレッド・ウェイツキン『ボビー・フィッシャーを探して』は、待望の若島正訳で2014年9月1日刊行となりました。
2014.09.25
宇野邦一解説
2014.09.09
フロイトの「最も有名な症例」による回想 馬場謙一訳