みすず書房

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『通訳学入門』

フランツ・ポェヒハッカー 鳥飼玖美子監訳 [2008年9月10日刊]

新地平を拓く、第一級の書

最新の通訳理論まで網羅した初の本格的な入門書。
学ぶ人、教える人、そして、現役の通訳者にとって必読の一冊。
類のないリーダブルな構成の素晴らしい決定版です。
A5判 312頁 4200円(税込)

  • 通訳分野の進展を扱い、影響のあった概念、モデル、方法論を詳細に解説
  • 国際会議通訳、コミュニティ通訳(公共サービス、医療、司法、法廷、ビジネス、ガイド、学校教育などでの通訳)、音声通訳から手話通訳までを網羅
  • 主要研究分野を提示してアドバイスを付す、実用的で使いやすいテキスト
  • 現在から未来を見据えた、通訳に関する最も信頼できる地図
■著者略歴
フランツ・ポェヒハッカー

(Franz Pochhacker)
ウィーン大学翻訳学センター准教授(通訳学)。(Associate Professor of Interpreting Studies in the Center for Translation Studies at the University of Vienna)博士学位論文 “Simultandolmetschen als komplexes Handeln”(Tubingen: Gunter Narr 1994). 現在は関心領域を会議通訳から、医療や司法・法廷などのコミュニティ通訳にも広げている。「通訳学」の確立をめざした論文は60本を超え、著作も多数。“Dolmetschen:Konzeptuelle Grundlagen und deskriptive Untersuchungen”(Tubingen: Stauffenburg 2000), “Introducing Interpreting Studies”(London/New York: Routledge 2004),Miriam Shlesingerとの共編“The Interpreting Studies Reader”(London/New York: Routledge 2002)ほか。国際的な学術誌“Interpreting”編集長。

■監訳者略歴
鳥飼玖美子

(とりかい・くみこ)
東京都港区で生まれる。上智大学外国語学部イスパニア語学科卒業。コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ修士課程(英語教授法)修了(MA)。サウサンプトン大学人文学研究科博士課程修了(Ph.D.)。現在、立教大学教授(大学院異文化コミュニケーション研究科委員長)。大学在学中より同時通訳者として第一線で活躍。また「百万人の英語」「NHKテレビ英会話」の講師をはじめ、英語教育の最前線を担ってきた第一人者。専門は、通訳翻訳学、言語コミュニケーション論、言語教育。公的役職として、日本通訳学会会長、日本翻訳家協会理事、国際文化学会常任理事、大学英語教育学会評議員などを務める。著書:『異文化をこえる英語』(丸善ライブラリー、1996)、『TOEFLテスト・TOEICテストと日本人の英語力』(講談社現代新書、2002)、『歴史をかえた誤訳』(新潮文庫、2004)、『危うし! 小学校英語』(文春新書、2006)、『通訳者と戦後日米外交』(みすず書房、2007)ほか。

■訳者略歴
長沼美香子

(ながぬま・みかこ)
愛知県生まれ。広島大学総合科学部卒業、同大学院修了(国際学修士)。マッコーリ大学大学院修了(M.A.)。現在、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任准教授。

水野的

(みずの・あきら)
福島県いわき市生まれ。東京外国語大学ポルトガル・ブラジル語学科卒業。会議通訳者。元・立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科特任教授。日本通訳学会事務局長。

山田優

(やまだ・まさる)
東京生まれ。ウェストバージニア大学卒業、同大学院修士課程修了(言語学専攻)。現在、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程在籍。米国モントレー国際大学翻訳通訳大学院客員研究員。

■推薦文

「『通訳学入門』は通訳研究全般への最高レベルの入門書である。信頼できる情報が明晰かつ読者を引きつける文体で書かれている。通訳教育者や研究者には必読の書であり、現代世界における異言語間、異文化間のコミュニケーションに関心のある誰にとっても価値のある書である」
マイケル・クローニン Michael Cronin(ダブリン市立大学)

■「監訳者あとがき」より

「本書は、フランツ・ポェヒハッカー(Franz Pochhacker)による通訳理論への入門書“Introducing Interpreting Studies”(Routledge, 2004)の日本語訳である。海外でも通訳研究は翻訳研究に比べ「若い学問分野」とされるが、日本での通訳理論研究はさらに萌芽的段階にあり、たかだか20年弱の歴史しかない。しかし理論研究への関心は近年とみに高まっており、日本における通訳理論研究の場である日本通訳学会は、設立から8年で会員数が330名を超えるまでに成長した。現役通訳者が大学の専任教員として採用され、大学・大学院での通訳コースを任されるケースも増えてきている。そのような状況のもと、通訳者養成に何らかの形で理論研究も組み入れたいという痛切なニーズが出てきていることから、大学・大学院における通訳コースおよび民間の通訳スクールで利用できるような通訳理論への入門書が不可欠だと考えたことが、本書を日本語訳するに至った経緯である」
鳥飼玖美子(日本通訳学会会長/日本翻訳家協会理事)




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