みすず書房

認識問題 4

近代の哲学と科学における

DAS ERKENNTNISPROBLEM

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 456頁
定価 7,480円 (本体:6,800円)
ISBN 978-4-622-03194-9
Cコード C3010
発行日 1996年6月25日
備考 現在品切
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認識問題 4

『シンボル形式としての哲学』をはじめとするドイツの哲学者カッシーラーの数ある著作のなかでも、1906年から亡命のさなかまで書きつがれ、アメリカでのその死後に最終巻が刊行された本書は、まさに彼のライフワークであった。

「知の全体をただ一人で体系化し組織しようと望むことが哲学に許されていた壮大な建築物の構想の時代は、われわれにとっては過ぎ去ってしまった。しかし、綜合と総覧、概観と概要への要求は依然として存在しつづけているのであり、この種の体系的な展望に立ってのみ、個々の現象の真に歴史的な理解は得られるのである」カッシーラーがこう語っているように、認識問題、つまり哲学的な歴史記述とは、特定の思想系列の登場やその時間的な経過をそのまま描くのではなく、その原理的な意味や成果を発見し、記述するものである。ニコラウス・クザヌスに始まり、デカルト、スピノザ、ライプニッツ、啓蒙の時代をへて、ヘーゲル、アインシュタインまで、まさしくヨーロッパ近代全体の思想や諸科学の場や意味を辿ろうとする、大胆かつ詳細きわまる試みが、『認識問題』全4巻である。

本書は、その最終巻にあたる。へーゲルの死以後1932年までの精密科学、生命科学、歴史学をテーマとした、博学と思索の結晶である。現代を読み解くのに不可欠な、古典の名に恥じない大著を、ここに公刊する。

目次

序論

 第一部 精密科学

第一章 空間の問題と非ユークリッド幾何学の発見
第二章 幾何学の形式における経験と思惟
第三章 幾何学における順序概念と尺度概念
第四章 数概念とその論理学的基礎づけ
第五章 理論物理学の目標と方法


 第二部 生物学の認識理想とその変遷

第一章 自然諸形態の分類と分類学の問題
第二章 変態の理念と〈観念論的形態学〉
第三章 問題としての発生学と格率としての発生学
第四章 独断としてのダーウィニズムと認識原理としてのダーウィニズム
第五章 発生=機構学と生物学の因果関係
第六章 生気論=論争と「有機体の自律性」


 第三部 歴史学的認識の基本形式と基本動向

第一章 歴史主義の出現——ヘルダー
第二章 ロマン主義と批判的歴史学の端緒——「歴史学的イデア論」——ニーブール——ランケ——フンボルト
第三章 実証主義とその歴史学的認識理想——イッポリット・テーヌ
第四章 歴史記述の基礎としての国家論と憲法論——テオドール・モムゼン
第五章 政治史と文化史——ヤーコプ・ブルクハルト
第六章 歴史の心理学的類型化——カール・ランプレヒト
第七章 歴史学的認識理想にたいする宗教史の影響——ダーフィト・フリードリヒ・シュトラウス——ルナン——フュステル・ド・クーランジュ

あとがきにかえて
人名索引

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