みすず書房

スピンはめぐる【新版】

成熟期の量子力学

判型 A5判 タテ210mm×ヨコ148mm
頁数 352頁
定価 5,060円 (本体:4,600円)
ISBN 978-4-622-07369-7
Cコード C3042
発行日 2008年6月20日
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スピンはめぐる【新版】

朝永振一郎による不朽の名著、待望の新版。あのパウリによって「古典的記述不可能な二価性」とも表現され、マクロな物理現象とのアナロジーを拒んだ“スピン”の真髄に迫ろうとするとき、本書のアプローチに優るものは想像しがたい。
スピンの概念は紆余曲折の末に理論的に焦点を結び、相対論化され、量子力学の射程を大きく延ばした。それは荷電スピンの概念につながり、人知が原子核の内側へ踏み込むことを可能にしたのである。
その過程で、「アクロバットのよう」なディラックの思考、つぎつぎと問題の鍵を見いだす「パウリの正攻法」、現象論的な類推から本質に辿り着く「ハイゼンベルク一流の類推法」など、さまざまな個性の頭脳が自然の謎と格闘する。本書はそんな「興奮の時代」と呼ばれた量子力学の成熟過程を、近体験する旅である。その道程の随所に、ディラックらの原論文を読みこんで、自身も歴史的な仕事を遺した朝永ならではの洞察が光っている。学術書でありながら、まさに珠玉と呼ぶにふさわしい。
すべての物理学生にとっての必読書である。新版には懇切な注釈が付され、より独習しやすくなった。旧版刊行から30年余を経たため、その間のスピン関連の進歩に関する解説も追加されている。

目次

第1話 夜明け前
第2話 電子スピンとトーマス因子
第3話 パウリのスピン理論とディラック理論
第4話 陽子のスピン
第5話 スピン同士の相互作用
第6話 パウリ‐ワイスコップとユカワ粒子
第7話 ベクトルでもテンソルでもない量
第8話 素粒子のスピンと統計
第9話 発見の年“1932年”
第10話 核力と荷電スピン
第11話 再びトーマス因子について
第12話 最終講義

参照文献
あとがき
付録
A 補注  B スピン、その後  C 電磁気関連の旧版の表式(CGSガウス単位系)
画像・資料リスト
新版へのあとがき
索引

書評情報

酒井英行
日本物理学会誌2009年第5号

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