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救済の星

DER STERN DER ERLOSUNG


第一次世界大戦につづく10年の間に、ドイツを中心に、その後の時代に多大な影響をあたえることになる本が続々刊行された。シュペングラー『西欧の没落』、プロッホ『ユートピアの精神』、カール・バルト『ロ-マ書講解』、ルカーチ『歴史と階級意識』、ハイデガー『存在と時間』。力点の違いはあれ、そこに共通しているのは、西欧近代への絶望と徹底した批判精神、そして世界終末観である。ここにもう一冊加えるとすれば、それが、ローゼンツヴァイク『救済の星』(1921)である。
「〈すべて〉についての認識はすべて死から、死の恐怖から始まる」。この文章から始まる本書は「第一巻 要素、あるいは永続的な前世界、第二巻 軌道、あるいはつねに更新される世界、第三巻 形態、あるいは永遠の超世界」から成る700頁に及ぶ大著である。そこに一貫しているのは、古代ギリシャに始まる西欧の伝統的思考にあるモノローグ的思考に代えて、対話の思考を復権することだ。ユダヤ的精神を援用しながら、神・世界・人間の関係を中心に徹底した思考が展開される。
「〈私〉は、〈君〉をみずからの外部にあるなにかとして承認することによってはじめて、つまりモノローグからほんとうの対話(ダイアローグ)へと移行することによってはじめて〈私〉となる。本来的な〈私〉は、〈君〉の発見においてはじめて声として聞きとれるようになるのである」ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』と同様、第一次世界大戦下、志願兵として参加したバルカン戦線の塹壕のなかで着想を得て書きつがれた世紀の書を、88年後のいま、ここにおくる。


目次


第1巻 要素、あるいは永続的な前世界
序論 〈すべて〉を認識する可能性について
第1章 神とその存在、あるいはメタ自然学
第2章 世界とその意味、あるいはメタ論理学
第3章 人間とその〈自己〉、あるいはメタ倫理学

移行

第2巻 軌道、あるいはつねに更新される世界
序論 奇跡を体験する可能性について
第1章 創造、あるいは事物の永続的な根拠
第2章 啓示、あるいはつねに更新される魂の誕生
第3章 救済、あるいは御国の永遠の未来

敷居

第3巻 形態、あるいは永遠の超世界
序論 御国を祈りによって手に入れる可能性について
第1章 火、あるいは永遠の生
第2章 光線、あるいは永遠の道
第3章 星、あるいは永遠の真理



訳者あとがき
事項索引
人名索引


著訳者略歴

フランツ・ローゼンツヴァイク
Franz Rosenzweig

1886年12月25日、ドイツ(カッセル)の裕福なユダヤ人家庭に生まれる。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
村岡晋一
むらおか・しんいち

1952年熊本県生まれ。中央大学文学部卒業。同大学大学院文学研究科後期課程中退。現在 中央大学理工学部教授。専門はドイツ観念論、ドイツ・ユダヤ思想。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
細見和之
ほそみ・かずゆき

1962年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程修了、現在 大阪府立大学人間社会学部教授。博士(人間科学、大阪大学)。ドイツ思想専攻、詩人。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
小須田健
こすだ・けん

1964年生まれ。1995年中央大学大学院文学研究科哲学専攻(博士後期課程)単位取得退学。現在 中央大学、清泉女子大学、東京情報大学はか非常勤講師。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

合田正人(明治大学教授)
<週刊読書人 2009年6月19日(金)>
三島憲一<図書新聞 2009年8月1日(土)号>
早尾貴紀<KAN 2009年夏号>

関連リンク

この本の関連書


「救済の星」の画像:

救済の星

「救済の星」の書籍情報:

A5判 タテ210mm×ヨコ148mm/720頁
定価 10,584円(本体9,800円)
ISBN 978-4-622-07459-5 C1010
2009年4月17日発行

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