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ジェイン・オースティンの思い出


「ミス・オースティンはシェイクスピアと同じように、賢い人々と同様、愚かな人々もみごとに描いている。作家として、これはきわめて非凡な能力であり美点である。英知や機知にあふれた会話を書くためには、もちろん、作家自身にその英知や機知が備わっていなければならない。つまり、賢い人間を描くためには、賢い人間でなければならない。しかしその論理は、愚かな人間を描く場合にはあてはまらない……愚かな人間を描けるのは、愚かな人間ではない。そして、立派な登場人物を立派に描くことに成功している多くの作家たちが、あまり立派ではない登場人物を描くことには失敗している」(リチャード・ホエートリー)
著者はジェイン・オースティンの甥、つまり長兄ジェイムズの長男で、ジェイン叔母に身近に接した生き証人である。そのため、同じ世界に暮らした親族ならではの親しい知見が生きている。伝記的資料に乏しいなかで、本書がこれ以後に書かれることになる多くの「オースティン伝」の基礎をつくったことは間違いない。とりわけ、著者がオースティン文学の魅力である「皮肉とユーモア」を解する人物であることがありがたいし、折りにふれて彼女が語った科白を書き遺してくれたことも貴重である。
「田舎の村の三つか四つの家族が、小説の題材として最適なのです」
「真面目な歴史ロマンスを書かないと絞首刑にするぞ、とでも言われないかぎり、そういうものを書く気にはなれません」
オースティンの長編六作を全訳した訳者による詳細な注を付した待望の一冊。


目次


まえがき
参考図版

第一章
はじめに――ジェイン・オースティンの誕生――家族と親戚――家族と親戚が作品に及ぼした影響
第二章
スティーヴントン村――スティーヴントン村の生活――十八世紀の風俗習慣の変化
第三章
少女時代の習作――アッシュ村の友人たち――古い手紙――ルフロイ夫人の死を悼む詩――ジェイン・オースティンの手紙に関する所見――手紙
第四章
スティーヴントン村を去る――バースとサウサンプトンの家――チョートン村に落ち着く
第五章
ジェイン・オースティンの容姿と性格と趣味
第六章
長い休止期間のあとに再開された創作の習慣――最初の出版――作品の成功にたいする著者ジェイン・オースティンの関心
第七章
文学界と無縁な生涯――摂政皇太子のお引き立て――クラーク氏との往復書簡――作風変更の助言
第八章
オースティンの名声のゆっくりとした高まり――処女出版の試みの失敗――オースティンの作品に関する二つの対照的な書評
第九章
著名人たちの意見――普通の読者の意見――アメリカの読者の意見
第十章
ジェイン・オースティンの小説に関する私見
第十一章
ジェイン・オースティンの健康の衰え――病床での明るさ――死にたいする覚悟と謙虚さ――死
第十二章
『説得』の破棄された章
第十三章
最後の作品
第十四章
あとがき――初版の末尾に追記され、第二版で削除された「あとがき」

原注
訳者あとがき


著訳者略歴

J・E・オースティン=リー
J. E. Austin-Leigh

ジェイン・オースティンの甥(ジェインの長兄ジェイムズの長男)。オースティン家の家業ともいうべき牧師をつとめ、70歳を過ぎてから叔母の伝記を執筆した。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
中野康司
なかの・こうじ

1946年神奈川県生まれ。東京外国語大学卒業。東京都立大学大学院博士課程中退。東京都立大学教授を経て青山学院大学文学部英米文学科教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

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ジェイン・オースティンの思い出

「ジェイン・オースティンの思い出」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/304頁
定価 3,888円(本体3,600円)
ISBN 978-4-622-07628-5 C1098
2011年6月17日発行

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