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権力の病理 誰が行使し誰が苦しむのか<品切>

医療・人権・貧困

PATHOLOGIES OF POWER

Health, Human Rights, and the New War on the Poor

著者
ポール・ファーマー
訳者
豊田英子
解説
山本太郎
序文
アマルティア・セン

世界の最貧困層と超富裕層のグロテスクな格差が最も深刻なのは医療の分野だ。安価な薬が手に入らず失われる膨大な命がある一方、医療技術の最先端は日々更新される。さらに医療「倫理」学の主な関心は、そのような高度医療の是非の問題であって、多くのアフリカの子どもが、下痢性疾患によって5歳以前に死亡することではない。

ポール・ファーマーは30年以上にわたって貧困国で無償医療活動を行ってきた医師であり人類学者である。その活動は世界保健機関(WHO)のエイズ治療計画のベースにもなった。本書でファーマーは、偉大な豊かさの時代においても最も基本的な権利(生きるための権利)が無残に蹂躙されていることを、多くの例証によって示している。権利侵害は「権力の病理」の現れであり、それに苦しむ者と免れる者を決める社会的条件と密接に結びついている。しかし社会的条件が差別的に及ぼす悲惨な影響には人為が働いている以上、これは人間社会につきものの悲劇としてではなく、現代の諸学が取り組むべき最も緊急な問題として認識されるべきである――それがファーマーの主張であり、実践してきたことでもある。
真の解決策は、貧困や格差問題の本質と、苦しみへの深い理解の上にこそ成り立つ。本書はそのためのバイブルとなるだろう。


目次


序文  アマルティア・セン
2005年版への序文
はじめに

第 1 部 証人となる
第 1 章 苦しみと構造的暴力について――グローバル化時代の社会的・経済的権利
第 2 章 疫病と拘束――グアンタナモ、エイズ、そして隔離の論理
第 3 章 チアパスの教訓
第 4 章 我々すべてに伝染病が?――ロシアの刑務所における結核の再流行

第 2 部 人権をめぐる一医師の視点
第 5 章 健康・治療・社会正義――解放の神学による洞察
第 6 章 預言に耳を傾ける――市場本位の医学に対する批判
第 7 章 残酷で異常な――懲罰としての薬剤耐性結核
第 8 章 新たな不安――グローバル化時代の医療倫理と社会的権利
第 9 章 健康と人権の再考――パラダイム転換のとき
あとがき

原注
解説  山本太郎
文献(PDFファイル、229KB)ダウンロードはこちら
索引


著訳者略歴

ポール・ファーマー
Paul Farmer

1959年生まれ。発展途上国での医療提供活動によって世界的に著名な医師・医療人類学者。ハーヴァード医学大学院 国際保健社会医学部長などを経て2010年からKololotrones University Professor at Harvard University。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
豊田英子
とよだ・えいこ

1952年生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒。翻訳家。カミングス『北朝鮮とアメリカ 確執の半世紀』(共訳、明石書店2004)パッカー『イラク戦争のアメリカ』(みすず書房2008)ほか。

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
山本太郎
やまもと・たろう

1990年長崎大学医学部卒業。東京大学大学院医研究博士課程国際保健学修了。京都大学、ハーヴァード大学、コーネル大学を経て現在長崎大学熱帯医学研究所・国際保健分野主任教授。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
アマルティア・セン
Amartya Sen

書評情報

渡辺靖(慶應大学教授)
<朝日新聞 2012年6月17日(日)>

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「権力の病理 誰が行使し誰が苦しむのか」の画像:

権力の病理 誰が行使し誰が苦しむのか

「権力の病理 誰が行使し誰が苦しむのか」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/520頁
定価 5,184円(本体4,800円)
ISBN 978-4-622-07681-0 C0036
2012年4月25日発行
<ただいま品切です>