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サイード音楽評論 1

MUSIC AT THE LIMITS


40歳代前半で発表した『オリエンタリズム』(1978)で世界に衝撃を与えて以降、20世紀を代表する思想家の一人に数えられるE・サイード。彼がかつてシェーンベルクの愛弟子E・シュトイアーマンに師事したピアニストで、西洋クラシック音楽に造詣が深いことはよく知られており、音楽愛好家にとっては『音楽のエラボレーション』『バレンボイム/サイード 音楽と社会』の著者としてすでに馴染み深いだろう。しかしこの分野におけるサイードの仕事の中心は演奏評から本格論考までを含む新聞・雑誌への寄稿であり、これは日本ではもとより本国でも、生前には単行本として蓄積されることがなかった。本書は1983年から20年にわたって厚い信頼を集めたその音楽評論を初めて集成したものである。
作曲者の意図、演奏者の解釈行為、聴き手の解釈行為、その基盤となる歴史と社会環境と政治。それらをふまえたサイードの評論は音楽学の成果を取り込みつつも微視的になることがない。また逆に文化論に拡張して音楽そのものから離れてしまうこともない。現代の音楽をめぐる状況については一貫した主張がある。そのぶん賛否両論を呼ぶだろうが、一人の音楽評論家に望みうる、あらかたの魅力をサイードはそなえているといえるのではないだろうか。希代の思想家の音楽への愛情に満ちた、きわめて水準の高い評論群である。


目次


序文  ダニエル・バレンボイム 
まえがき  マリアム・C・サイード 
謝辞

第1部 一九八〇年代
1 音楽そのもの――グレン・グールドの対位法的な洞察力
2 奏でられたものの追想――ピアノ芸術の現存性と記憶
3 音楽祭は威風堂々
4 リヒャルト・シュトラウスを考える
5 『ヴァルキューレ』『アイーダ』『(エックス)』
6 音楽とフェミニズム
7 大衆向けの巨匠――ジョーゼフ・ホロウィッツ著『トスカニーニを理解する』
8 奏者にとっての中年期
9 ウィーンフィルとポリーニ――ベートーヴェンの交響曲とピアノ協奏曲の全曲演奏会
10 『セビリャの理髪師』『ドン・ジョヴァンニ』
11 メトロポリタン美術館でグールドを聴く
12 ヘンデルのオペラ『ジュリオ・チェザーレ』
13 バルトーク『青ひげ公の城』とシェーンベルク『期待』
14 チェリビダッケという例外体験
15 ピーター・セラーズのモーツァルト
16 カーネギーホールでアンドラーシュ・シフを聴く

第2部 一九九〇年代
17 リヒャルト・シュトラウス
18 ヴァーグナーとメトロポリタン歌劇場の『指輪』
19 オペラ制作――『ばらの騎士』『死者の家から』『ファウスト博士』
20 スタイルの有無――『エレクトラ』『セミラーミデ』『カーチャ・カバノヴァー』
21 アルフレート・ブレンデル著『音楽のなかの言葉』
22 『死の都』『フィデリオ』『クリングホファーの死』
23 不確かなスタイル――『ヴェルサイユの幽霊』『軍人たち』
24 追悼の音楽


著訳者略歴

エドワード・W・サイード
Edward W. Said

1935年11月1日、イギリス委任統治下のエルサレムに生まれる。カイロのヴィクトリア・カレッジ等で教育を受けたあと合衆国に渡り、プリンストン大学卒業、ハーヴァード大学で学位を取得。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。
ダニエル・バレンボイム
Daniel Barenboim
二木麻里
ふたき・まり

1960年生まれ。上智大学外国語学部卒。東京大学大学院学際情報学府博士課程在。和光大学非常勤講師。 ...続きを読む »

※ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

書評情報

中村晃也(音楽理論)
<レコード芸術2013年3月号 >
小宮正安(横浜国立大学准教授、ドイツ文学・ヨーロッパ文化史専攻)
<週刊読書人 2013年1月25日(金)>
宮沢昭男(音楽評論家)
<しんぶん赤旗 2013年2月17日>
<東京新聞 2013年3月3日(日)>

関連リンク

この本の関連書


「サイード音楽評論 1」の画像:

サイード音楽評論 1

「サイード音楽評論 1」の書籍情報:

四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/320頁
定価 3,456円(本体3,200円)
ISBN 978-4-622-07724-4 C0010
2012年11月22日発行

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